米セントコア社のDennis Decktor氏

 関節リウマチRA)に対する抗TNFα療法をいち早く導入した米国では、多くの患者に抗TNFα薬が処方されている。しかし、抗TNFα薬の継続状況や他のクラスの抗リウマチ薬DMARDs)の併用状況に関する情報は多くない。米セントコア社のDennis Decktor氏らは、同国の大規模RA患者登録研究であるCORRONAレジストリーのデータを解析した結果、抗TNFα薬単剤での使用は減る傾向にあることを明らかにした。成果は、6月10日から13日にコペンハーゲンで開催された第10回欧州リウマチ学会・年次集会(EULAR2009)のポスターセッションで報告した。

 CORRONAレジストリーは、1999年に開設された米国最大規模の患者登録研究であり、2万人を超えるRA患者の記録が網羅されている。今回の検討では、同データベースの登録患者のうち、2001年10月2日〜2008年6月17日に初めて抗TNFα薬(インフリキシマブ[IFX]、エタネルセプト[ETN]、アダリムマブ[ADA]のいずれか)を処方され、1年以上の追跡が可能だった1508例のRA患者を解析の対象とした。

 患者の平均年齢は57.3±13.3歳、女性比率は76.1%、平均罹病期間は9.4±9.6年、平均CDAIは16.2±13.1であった。抗TNFα薬開始以前に用いたDMARDsは平均1.9±1.1剤で、68.8%がメトトレキサート(MTX)を使用していた。また、プレドニゾロンの使用率は32.3%だった。

 抗TNFα薬を処方した時期別の患者数は、2001〜2002年が54例、2003〜2004年が422例、2005〜2006年が679例、2007〜2008年(6月まで)が353例であった。

 最初の処方から1年後、2年後、3年後にも抗TNFα薬の投与を受けていた患者の割合は、それぞれ62%、60%、56%。また、いったんは抗TNFα薬から他の生物学的製剤やDMARDsに切り替えたものの、再び抗TNFα薬に戻った患者も全体の11%にみられた。したがって、抗TNFα療法を完全に中止した患者の割合は3割程度だった。

 抗TNFα薬を単剤で処方を開始した患者は249例(16.5%)で、8割以上の患者はDMARDsとの併用下での処方だった。最初にDMARDsを併用処方した患者の86%は、その後もDMARDsの併用を続けていた一方、最初に単剤投与で開始された患者の39%は、その後にDMARDsの併用を開始していた。

 また、最初に単剤投与が選択される患者の割合自体が2003〜2004年の20%から、2005〜2006年には16%、2007〜2008年には13%と年々低下しており、結果として抗TNFα療法に占める単剤投与の割合の減少傾向が著明だった。

 以上のように、米国における“real world”の医療現場では、抗TNFα療法の継続率は高い一方、抗TNFα薬単剤での使用は減る傾向にあることが明らかとなった。

 抗TNFα薬のうち、MTXとの併用が条件づけられている薬剤はIFXのみだが、近年では、他の抗TNFα薬についても、MTXとの併用下のほうが高い有効性が得られるとの報告がなされている。抗TNFα薬とMTXなどDMARDsとの併用が現在は主流であり、抗TNFα単独治療が減少する傾向は、今後も続くものと思われる。