埼玉医科大学総合医療センターリウマチ・膠原病内科の亀田秀人氏

 メトトレキサートMTX)無効の関節リウマチRA)患者においても、エタネルセプト単独療法への切り替えよりも、MTXを継続しつつエタネルセプトを追加した場合の方が高い治療効果が期待できることが、日本の多施設共同試験(JESMR試験)の結果、明らかになった。成果は、6月10日から13日までデンマークで開催された第10回欧州リウマチ学会・年次集会(EULAR2009)で、埼玉医科大学総合医療センターリウマチ・膠原病内科の亀田秀人氏が発表した。

 既にTEMPO試験により、MTX感受性のRA患者では、エタネルセプトとMTXの併用が、エタネルセプト単独よりも有効性が高いことが示されている。しかし、MTX無効のRAにおいては、併用と単独投与の優劣は明らかになっていなかった。

 そこで亀田氏らは、MTX無効の患者において、MTXを継続しつつエタネルセプトを追加した場合と、MTXを中止してエタネルセプト単独投与に切り替えた場合の効果と安全性を比較するJESMR試験を実施した。

 対象はMTX6mg/週以上の投与を最低3カ月受け、かつ、効果が得られなかったRA患者で、45施設から151人が登録された。患者はランダムに、エタネルセプト(25mg×2回/週)とMTX(6-8mg/週)の併用群(n=77)と、エタネルセプト単独群(n=74)に割り付けられた。

 52週まで治療を行い、効果は、van der Heijde-modifiedシャープスコア(vdH-Sharp)、EULAR good response、ACR responseなどで評価した。併用群の76人、単独群の71人を安全性評価の対象とした。52週まで観察可能だったのは、併用群64人(83%)、単独群44人(59%)だった。

 その結果、ACRとEULAR responseについては、MTX併用はエタネルセプト単独投与に比べ、臨床的な効果が高かった。また、DAS28の改善でも、併用群では単独群よりも良好で、投与開始後24週において、併用群で3.2、単独群で4.1(p=0.0003)、52週で併用群3.0、単独群4.2(p<0.0001)と有意な差が確認された。52週におけるHAQは、ベースラインの1.2から併用群では0.6に改善し、単独群の0.9よりも改善効果が高かった(p=0.041)。

 また、X線画像所見によるびらんの改善が、併用群のみで確認され(24週、52週)、単独群と比較しても改善効果は有意に高かった(52週、併用群:-0.2、単独群1.8、p=0.02)。また、総スコアは併用群で低い増加が確認された(0.8、3.6、p=0.06)

 有害事象として最も多かったのは感染だったが、2群間に差はなく(併用群35例、単独群36例)、他の有害事象においても差は認めなかった。

 これらの結果から、「MTXで効果が認められない患者であっても、エタネルセプト単独に切り替えるよりも、MTXの投与を継続しつつエタネルセプトを追加する方が、高い効果が期待できる」と亀田氏はまとめた。

 また同氏は、「エタネルセプト単独に切り替えた場合、再度、治療変更の可能性があるが、MTXを継続することでその可能性を下げることができるだろう。MTXはコスト的にも問題が少ないため、副作用などの問題がない限り、極力、MTXを継続するといい」と語った。