関節リウマチRA)治療の目標は「寛解」である。しかし、寛解の基準として万人が認めるゴールドスタンダードはまだ存在していない。イタリア・Ferrara大学のAlfonso Massara氏らは、抗TNFα薬による寛解導入率を4つの異なる基準で算出した結果、CDAI(clinical disease activity index)やSDAI (simplified disease activity index)に基づく基準は、DASに基づく基準より厳しいとの見解を、6月10日から13日にコペンハーゲンで開催された第10回欧州リウマチ学会・年次集会(EULAR2009)で報告した。

 対象は、2000年1月から2007年12月に同大学S. Anna病院リウマチ科で抗TNF¬α薬の投与を受けたRA患者全366例のうち、治療期間が6カ月以上だった331例(インフリキシマブ97例、エタネルセプト120例、アダリムマブ114例)である。抗TNFα薬投与期間は平均27.8±19.6カ月であった。

 ベースライン時の背景因子は、平均年齢55±12歳、女性比率82.5%、平均罹病期間143±89カ月、リウマトイド因子陽性率71.4%、抗CCP抗体陽性率64.5%、過去に抗TNFα薬の治療歴がある患者の割合は20.5%だった。また、ベースライン時の病態指標の平均値は、DAS28スコア6.1±1.2、疼痛関節数(TJC)13±7、腫脹関節数(SJC)10±6、CRP2.5±3.3mg/dL、HAQスコア1.5±1.4であった。

 Massara氏らは、これらの患者の治療記録をレトロスペクティブに解析し、寛解の定義を、(1)DAS44≦1.6とした場合、(2)DAS28≦2.6とした場合、(3)CDAI≦2.8とした場合、(4)SDAI≦3.3とした場合、の4つの異なる基準を設定し、ベースライン時と治療6カ月後、1年後、2年後、3年後の寛解率を求めた。

 その結果、6カ月後の寛解率は、(1)のDAS44≦1.6の場合が22.7%、(2)のDAS28≦2.6で23%、(3)のCDAI≦2.8で14.2%、(4)のSDAI≦3.3では13.3%であり、(3)のCDAI、(4)のSDAIによる基準では、寛解率は前二者より約10%も低かった。

 同様に、1年後の寛解率は29.2%、28.1%、19%、18.2%(n=253)、2年後の寛解率は37.9%、36.4%、25.6%、22.6%(n=187)、3年後の寛解率は37.5%、33.6%、23.4%、19.5%(n=124)となり、どの時点においてもCDAIまたはSDAIにて評価した寛解率は、DASで評価した場合より低かった。

 さらに、CDAIに基づく寛解例では、SJCが0または1関節しかなかったのに対し、DAS28による寛解例では最大7関節のSJCが残存していた。

 以上よりMassara氏らは、CDAIやSDAIに基づく寛解基準は、DASに基づく基準よりも厳格であると結論。これらの基準で「寛解」と判定された症例は、「真の意味での『寛解』に近いのではないか」と述べた。