スペインHospital ClinicのP. Brito Zeron氏

 シェーグレン症候群の初期診断時に撮影した耳下腺シンチグラフィによるグレード分類で、患者の予後を予測できる可能性が示された。スペインHospital ClinicのP. Brito Zeron氏らによる研究の成果で6月10日から13日にコペンハーゲンで開催された第10回欧州リウマチ学会・年次集会(EULAR2009)で報告された。

 シェーグレン症候群の初期診断時には、耳下腺シンチグラフィの撮影が行われている。しかし、シンチグラフィによるグレード分類と、予後との関連は検討されていなかった。

 そのため、Zeron氏らは、1984年から2008年に自院でシェーグレン症候群の診断を受けた患者405人について、耳下腺シンチグラフィのグレード分類と予後の関係を、後ろ向きに調査した。

 シンチグラフィのグレード分類は、Schallらが提唱したクライテリアを用い、3つのサブグループに分類した。クラス1は正常、クラス2-3は、耳下腺へのトレーサー物質の取り込みの遅れ、口腔へのトレーサー物質の分泌の遅れ、または分泌の欠如がある場合、クラス4はトレーサー物質が唾液腺にまったく集積しない場合とした。

 対象とした患者は405人、うち女性377人(93%)、男性28人(7%)で、診断時の年齢(中央値)は57.3歳、フォローアップ期間(同)は86.8カ月で、クラス1と分類された患者は47人(12%)、クラス2-3は314人(77%)、クラス4は44人(11%)だった。

 クラス4に分類された患者では、クラス3以下と比べて耳下腺拡張を有意に高頻度で認めた(クラス4で43%、クラス2-3で8%、クラス1で1%、p<0.001)。腎疾患の発現頻度もクラス4で有意に高かった(11%、2%、0%、p<0.001)。

 全身性の症状の出現もクラス4で高い頻度でみられた(68%、43%、45%、p=0.007)。肺疾患(23%、16%、4%、p=0.041)、末梢神経障害(18%、7%、13%、p=0.042)、脈管炎(16%、6%、2%、p=0.02)、貧血(23%、10%、2%、p=0.005)、白血球減少症(29%、15%、9%、p=0.017)なども同様の傾向だった。

 自己抗体の発現に関してもクラス4では高く、RF陽性(64%、39%、29%、p=0.017)、高Ro/SS-A(57%、32%、22%、p=0.001)、高La/SS-B(50%、23%、11%、p=0.001)となっていた。

 B細胞リンパ腫の発症に関して調べたところ、クラス4はクラス3以下に比べて、約10倍の発症リスクがあることが明らかになった(HR=10.51、95%CI:2.35-47.00、p=0.002)。加えて、クラス4の患者では、死亡リスクが約5倍高くなっていた(HR=5.33 95%CI 1.96-14.53、p=0.001)。

 これらの結果から、「診断時の耳下腺シンチグラフィの結果は、その後の病状の進行、予後を評価する上で有効と考えられる」と、Zeron氏はまとめた。