関節リウマチRA)に対するインフリキシマブIFX)の標準的な用法用量は、3mg/kgを0、2、6週と以後8週間隔で投与するというものだが、欧米では必要に応じて用量や投与間隔の調節が認められている。しかし、実際にどの程度の「調節」が行われているのかという情報は少ない。米セントコア社のTang氏らは、米国の巨大RAレジストリーであるCORRONAデータベースを利用し、IFXの使用用量と投与間隔について調べた結果、調節が行われている患者は少数派であることを突き止めた。成果は、6月10日から13日にコペンハーゲンで開催された第10回欧州リウマチ学会・年次集会(EULAR2009)のポスターセッションで11日に報告された。

 CORRONAレジストリーは、1999年に開始された米国最大規模の患者登録研究であり、登録RA患者数は2万人を超える。情報は医師と患者の双方から収集され、3カ月ごとに更新されている。

 今回の検討では、同データベースの登録患者のうち、過去に他の抗TNFα薬の投与歴がなく、2001年10月2日から2008年6月1日までにIFXを新たに処方された患者を対象に、ベースライン時と3、6、9、12カ月時(いずれも±1.5カ月の幅あり)のIFX用量と用法を調べた。ただし、IFX投与が1回のみであった患者と用量に関する情報が欠落した患者は除外した。

 その結果、計531例の患者が上記の条件を満たした。年齢中央値は60.0歳、女性比率は75.5%、体重中央値は77.3kg、罹病期間中央値は7年であった。

 12カ月時に、IFX投与量が開始時よりも増量していた患者は30.2%であり、64.4%は変更なし、5.4%が減量していた。

 また、投与間隔については、362例(68.2%)で標準的な8週間隔で投与を開始しており、6週間隔での開始例は98例(18.5%)、4週間隔での開始例は41例(7.7%)だった。この割合は、12カ月後にも大きく変わることはなかった(それぞれ64.6%、23.8%、7.3%)。

 12カ月時に、開始時よりも投与間隔が短縮していた患者は18.6%、延長していた患者は11.9%で、69.6%の患者は最初の投与間隔が維持されていた。

 以上のように、米国の“real world”では、IFX使用患者の多くが標準的な用法用量でIFX投与を開始されており、多くの患者で用量や用法がその後も継続されていた。また、12カ月後には30.2%の患者で増量が行われており、投与間隔が短縮された患者は18.6%であった。

 なお、IFXの良好な臨床的アウトカムには、用法用量の柔軟性が関連しているという指摘もあるが、Tang氏らは、「今回のレジストリー調査では臨床効果が集計されていないため、用量調節と効果の相関を論じるにはさらなる検討が必要だ」と述べた。