オランダVU University Medical CenterのMichael Numohamed氏

 関節リウマチ(RA)や他の炎症性関節炎の患者では、心血管疾患CVD)リスクが一般集団に比べて高いことが知られている。6月10日から13日にかけてデンマーク・コペンハーゲンで開催された第10回欧州リウマチ学会・年次集会(EULAR2009)で、RAや炎症性関節炎におけるCVDマネジメントについてのEULAR推奨(リコメンデーション)が発表された。

 発表したのは、本リコメンデーションの策定委員長でオランダVU University Medical CenterのMichael Numohamed氏。この委員会には、欧州9カ国からリウマチ医、循環器医、内科医など18人が参加し、科学的エビデンスと専門家の意見を踏まえたリコメンデーションを作成した。

 今回発表されたリコメンデーションは以下の9項目からなる。概要は次のとおり。

(1)RAは強直性脊椎炎(AS)、乾癬性関節炎(PsA)とともに、糖尿病と同様、CVDリスクが高い(エビデンスレベル2-3)。

(2) CVDリスク低下には疾患活動性の適切なコントロールが必要。抗TNF薬メトトレキサート(MTX)のエビデンスが高い(エビデンスレベル3)。

(3)各国のガイドラインに則り、RA、AS、PsA患者のCVDリスク評価を年に1回、行うべきである。抗リウマチ治療薬が変更された場合には、再度、CVD リスク評価を行うこと。自国にガイドラインがない場合はSCORE機能モデルを用いる(エビデンスレベル3-4)。

(4)リスク評価スコアは、以下の3つのうち2つ以上を満たす場合、1.5倍にすること(エビデンスレベル3-4)。
a.罹病期間が10年以上の場合
b.RFまたはは抗CCP陽性の場合
c.関節外症状がある場合

(5)SCORE機能モデルを利用する場合、総コレステロール/HDLコレステロールの比率を利用すること(エビデンスレベル3)。

(6)治療の目標は各国のガイドラインに従うこと(エビデンスレベル3-4)。

(7)スタチン、ACE阻害薬、アンジオテンシンII受容体拮抗薬は、多面的効果が期待されるため、望ましい治療薬である(エビデンスレベル2-3)。

(8)COX阻害薬やほとんどのNSAIDsのCVDリスクに対する役割が明らかにされていないため、さらなる検証が必要。そのため、これらの薬剤の処方は慎重に行うこと(エビデンスレベル3-4)。

(9)ステロイド薬を利用する場合は、最低必要量にとどめること(エビデンスレベル3)。