フランスCHU Hospital SudのAthan Baillet氏

 有酸素運動により、関節リウマチ(RA)患者のQOLや身体機能、痛みなどが改善することが、28のランダム化比較試験のメタ解析で確認された。フランスCHU Hospital SudのAthan Baillet氏が、6月10日から13日までコペンハーゲンで開催された第10回欧州リウマチ学会EULAR2009)で発表したもの。

 対象としたのは、有酸素運動による介入を対照群と比較した28のランダム化比較試験で、合計2534人(介入群1413人、対照群1121人)のRA患者が参加した。心肺機能を高める運動や筋力を高める運動を含む。介入群の平均年齢は53.1歳、対照群は54.3歳、罹患期間は介入群7.6年、対照群7.9年だった。

 解析は、ランダム化後1カ月後、3カ月後、6カ月後、1年後、2年後に行われ、NHPやRAQolなどによるQOL、HAQを用いた機能、VASによる痛み、DAS28などを用いた疾患活動性、画像診断による関節の状態が評価された。

 評価は、2つのグループの中間値が標準偏差とどれほどの差があるかで効果の高さを判断する、Sandardized Mean Defference(SMD)で解析した。SMDでは、0.2〜0.5では“小さな効果”、0.5〜0.8では“中間の効果”、0.8より大きい場合は“大きな効果”と判断する。

 HAQの評価を行っていたのは18試験あり、SMDは0.31(0.14-0.48)だった。QOLの評価は11試験で行われており、SMDは0.26(0.14-0.37)、VASによる痛みの評価は15試験で、SMDは0.43(0.10-0.76)だった。これらの結果から、運動により、機能、QOL、痛みが改善することが確認された。

 一方、DAS28に関する評価を行った試験は7つで、SMDは0.07(0.05-0.19)と効果は確認されなかった。ただし、画像診断による関節の状態の評価(4試験)では、少ないながらも改善がみられた(SMD=0.37)。

これらの結果から、Baillet氏は、運動は安全性が高く、機能やQOLを改善することが示されたとし、今後、RA患者の運動がより推奨されるべきとまとめた。