スウェーデンKarolinska InstituteのMarie Gunnarsson氏

 関節リウマチRA)患者の心筋梗塞リスクは罹患後数年で高まることが、大規模コホート研究から明らかになった。成果はスウェーデンKarolinska InstituteのMarie Gunnarsson氏らが、6月10日から13日までデンマーク・コペンハーゲンで開催されている第10回欧州リウマチ学会・年次集会(EULAR2009)で発表した。

 RA患者では心筋梗塞のリスクが高いことは既に知られているが、RAの発症後、どのような時期に心筋梗塞の発症リスクが高まるのかは明らかになっていなかった。

 そこでGunnarsson氏らは、1996〜2007年にスウェーデンのRA患者レジストリーに登録された発症18カ月未満の早期RA患者7653人と、対照群として、性別や年齢などを揃えた一般集団3万7837人を比較した。心筋梗塞の発症は、国が作成している退院記録(2006年版)と死亡登録から、心筋梗塞で入院した患者、死亡した患者を拾い上げて計算した。中間フォローアップ期間は4.2年だ。

 その結果、全フォローアップ期間において、RA患者の心筋梗塞による入院リスクは1.6倍(1.4-1.9)と有意に高いことが明らかになった。また、入院リスクは、発症後1年未満で1.4倍(0.9-2.0)と上昇傾向を示しはじめ、発症後1〜4年では1.7倍(1.4-2.1)と有意に上昇していた。一方、死亡リスクは1.1倍(0.8-1.5)で、有意差は認められなかった。

 また、リウマトイド因子(RF)や年齢で層別化した解析を行ったところ、69歳までの患者群では、RF陽性の場合のみ、一般集団よりもリスクが高かった。ただし、70歳を超えると、RF陰性のRA患者においても、RF陽性患者とほぼ同程度まで心筋梗塞の発症リスクが上昇した。

 Gunnarsson氏は、「今回の研究から、これまでに考えられていたよりも早い段階で、RA患者の心筋梗塞リスクが上昇することが明らかになった。そのため、RA罹患後早期から、心血管疾患予防を考慮すべき」とまとめた。