ポルトガルGarcia de Orta病院リウマチ科のSofia Ramiro氏(写真右)、左は共同研究者のElizabeth Benito-Garcia氏

 関節リウマチ患者が新しい治療法をためらうのは、「新薬の副作用への不安」や「主治医の否定的態度」などが影響している可能性が示された。関節リウマチ患者約700人を対象とした調査結果で、ポルトガルGarcia de Orta病院リウマチ科のSofia Ramiro氏(写真右)らが、パリで開催された欧州リウマチ学会(EULAR)で報告した。

 Ramiro氏らは、2003年から2年に1度実施している関節リウマチ長期予後調査に参加しているポルトガルの関節リウマチ患者696人を対象として、薬剤変更に関する意識を問う断面調査をアンケート形式で実施した。調査結果について単変量と多変量のロジスティック回帰分析を行った。

 調査では、まず「症状が悪化しない限り治療法の変更を望まないか」という質問を用意し、その理由を尋ねた。最初の問いに対しては、71%が「変更を望まない」とした。さらにその理由を問い、変更に対する意志との関係を解析したところ、「変更を望まない」ことに対する最も強力で有意な予測因子は、「副作用のリスク」でオッズ比は9.18だった(95%CI:5.02-16.80、p<0.01)。

 このほか、「現在の治療で疾患を抑制できているから」(オッズ比=6.35、95%CI:4.00-10.07、p<0.01)、「(新薬に切り換えて)疾患を抑えられなくなったら困る」(オッズ比=2.57、95%CI=1.44-4.58、p<0.01)、「信頼している主治医が薬剤変更は不要としているから」(オッズ比=2.83、95%CI:1.37-5.86、p<0.01)の各要素が有意な予測因子になった。

 これらの結果からRamiro氏らは、ポルトガルの関節リウマチ患者は保守的で、新薬の効果に期待するよりは副作用を恐れ、現在の疾患に甘んじる傾向にあること、主治医を信頼し、現在の治療方針に従おうとすることなどを指摘していた。