米カリフォルニアMenlo-Aterton高校生のAmrita Sehgal氏

 米国では人口が高齢化し、総入院数も増加しているが、骨粗鬆症が主な原因のひとつと推定される非外傷性大腿骨頸部骨折(Hip Fracture)による入院は、1996年をピークに人口比で減少し続け、1988年から2005年の18年間に約23%と大幅に減ったことが分かった。1995年のビスフォスフォネート剤承認や、1997年に決定した高齢ハイリスク者の無料スクリーニング開始との関連性が考えられるという。パリで開催された欧州リウマチ学会(EULAR)の一般口演で、米カリフォルニアMenlo-Aterton高校生のAmrita Sehgal氏らが報告した。

 Sehgal氏らと米スタンフォード大学のGurkirpal Singh氏らの研究グループは、全米入院情報抽出データベース(NIS:Nationwide Inpatient Sample)が運用開始した1988年以来のデータから、50歳以上の大腿骨頸部閉鎖骨折の症例数を調べた。外傷性や下肢の悪性腫瘍がある場合などは除外した。NISは米国保健省(HSS)保健医療安全品質庁(AHRQ)が州政府や企業の参加を得て作成したデータベースで、米国の全入院のほぼ2割の情報が集積されている。

 その結果、50歳以上の人口10万人当たりの大腿骨頸部骨折入院は、1988年には約428人/年だったが、1996年に約450でピークに達した後、減少に転じ、2005年には約328と、1988年時点に対し、約23%少なくなった。

 50歳以上の全入院に対する比率をみると、1988年の約1.7%から増加して1996年に約1.85%でピークとなり、その後は減少し続けた。2004年からは微増したが、2005年には約1.4%になっている。1988年から2005年の間、この大腿骨頸部骨折による入院は、50歳以上のすべての年齢層で減少しており、減少率は年齢にかかわらずほぼ一定という。

 大腿頸部骨折入院がなぜ減少しているかについてSehgal氏らは、「認知度の向上、スクリーニングの実施による早期発見と治療が貢献したのではないか」と考察した。さらに1996年をピークに減少したことについて、「因果関係は不明」と強調しながらも、1995年に米国食品医薬品局(FDA)がビス剤を承認したこと、1997年には当時のクリントン大統領が、ハイリスク高齢者に無料で骨密度測定を実施する骨量測定法BMM Act)の実施予算を承認したことを指摘した。