スウェーデン・Malmo大学病院のChristina Book氏

 X線画像をもとにした手の骨密度が、関節リウマチ(RA)患者の長期予後総死亡リスクの有効な予測因子になることが示唆された。27年以上にわたる患者フォローアップに基づく研究成果で、スウェーデン・Malmo大学病院のChristina Book氏らが、欧州リウマチ学会の一般口演で報告したもの。

 Book氏らは、1978年に連続した152人(女性119人、男性33人)の関節リウマチ患者を研究に組み入れ、2005年まで追跡した。ベースラインの平均年齢は59歳、平均罹患期間は13年だった。組み入れ時の手のX線像が入手できた108人のうち、関節補てつ物があるか、撮影角度が悪かった24人を除く84人について、中手骨デジタルX線画像分析(DXR:digital X-ray radiogrammetry)により、手の骨密度を評価した。

 X線画像から得た皮質骨の厚さをもとに骨密度を推定する手法は、1960年に提唱されているが、近年、専用ソフトが開発・製品化されたことで、欧州を中心に研究成果の報告が増えている。

 フォローアップ期間中、骨密度を測定できた84人中62人(女性47人、男性15人)が死亡した。スウェーデンの一般人口に対する標準化死亡比(SMR)はほぼ3倍(2.95)と高かった。

 この84人について、性・年齢を調整した比例ハザードモデル分析を行ったところ、手の骨密度の低下は総死亡の有意な予測因子であることが示された(RR=1.82/1SD、95%CI:0.35-0.87、p=0.011)。

 このほか、リウマチの進行度を示すスタインブロッカー機能分類(RR=1.86/1SD、CI:1.35-2.56、p=0.0001)、医師による総合評価(RR=1.37/1SD、CI:1.02-1.82、p=0.035)、ESR(RR=1.86/1SD、CI:1.41-2.46、p=0.00001)が有意な予測因子となったが、リウマトイド因子ラーセンインデックスなどは有意な関連性がみられなかった。また全108人のX線画像を、ソフトを使わず手動で測定した値についても、総死亡に対する有意な予測能が得られた(RR=1.61/1SD、CI:1.06-2.43、p=0.023)。

 以上の結果からBook氏は、「手の局所骨密度は、総死亡に対して従来、指摘されてきた予測因子と同等以上の予測能が得られた。これは、骨密度値が疾患活動性や骨関節損傷の予測手段としても有用である可能性を示している」とした。