豪Tasmania大学のGraeme Jones氏

 関節リウマチ(RA)に対する抗IL-6受容体抗体製剤トシリズマブの単剤療法をメトトレキサート(MTX)単剤療法と比較したAMBITION試験の最終結果が、国際学会では初めて報告され、疾患活動性の抑制についてトシリズマブの優位性が証明された。豪Tasmania大学のGraeme Jones氏らが欧州リウマチ学会(EULAR)の一般口演で報告した。

 AMBITION(Actemra versus Methotrexate double-Blind Investigative Trial In mONotherapy)試験は、多施設国際フェーズ3試験で、MTX未使用の患者と、以前MTXで効果が見られたが何らかの理由で直近6カ月以内にMTXを使用していない患者を対象とした。MTXが無効だったことがある患者は含まれていない。

 試験デザインは無作為化二重盲検プラセボ対照2群間比較で、18カ国、252施設で673人を対象に実施された。患者はトシリズマブ単剤8mg/kg/4週と偽薬併用群、またはMTX単剤と偽薬併用群のいずれかに割り付けられた。MTXは、患者の状態によって7.5mg/週から20mg/週までの増量が許された。

 主要エンドポイントは、24週時点でのACR20の達成率に基づいて、MTX単剤に対するトシリズマブ単剤の非劣性を証明すること。2次エンドポイントはMTX単剤に対するトシリズマブ単剤の優位性を証明することとされた。主要エンドポイントは、v)で524人を対象jjに解析、2次エンドポイントは、ITT(intention-to-treat)で570人を対象に解析された。患者背景は同等で、MTX群の平均投与量は18mg/週だった。

 その結果、24週時点でACR20を達成したのは、トシリズマブ群で71%、MTX群で52%となり、MTX単剤に対するトシリズマブ単剤の非劣性が証明された。

 また、ITT解析による2次エンドポイントについて、トシリズマブ群286人とMTX群284人を比較したところ、24週時点でACR20を達成した患者は、トシリズマブ群70%、MTX群53%(p<0.0001)、ACR50達成は、トシリズマブ群44%、MTX群34%(p<0.0023)、ACR70達成は、トシリズマブ群28%、MTX群15%(p<0.0002)で、トシリズマブ群の優位性が達成された。

 有意差はなかったものの、24週時点で疾患活動性(DAS28)スコアが2.6以下の寛解に達した患者は、トシリズマブ群で34%、MTX群で12%だった。DAS28スコアの変化の平均値はトシリズマブ群で−3.3、MTX群で−2.2、関節破壊進行と身体機能(HAQスコア)の変化の平均値は、トシリズマブ群で−0.7、MTX群で−0.6だった。

 本試験では、EULAR改善基準に基づくGood/Moderate responseの達成率についても解析した。その結果、投与開始から2週時点で、トシリズマブ群64%、MTX群19%、24週点ではトシリズマブ群で82%、MTX群で65%だった。

 ベースラインから24週時点までのCRP値の変化の平均値は、トシリズマブ群で−2.6mg/dL、MTX群で−1.9mg/dL。ベースラインから24週時点までのヘモグロビン値の変化は調整後の平均値で、トシリズマブ群が+1.2g/dL、MTX群が+0.1g/dLだった。

 副作用の発生率は、トシリズマブ群で79.9%、MTX群では77.5%で、そのうち重篤なものが、それぞれ3.8%と2.8%あった。副作用により薬剤の投与を中止したのは、トシリズマブ群の3.8%、MTX群の5.3%で、副作用により投与量の変更が必要だったのは、それぞれ9.4%と22.2%。死亡はトシリズマブ群で3人、MTX群で1人だった。

 Jones氏は、「生物製剤の単剤療法としては、投与開始から6カ月時点における臨床的有効性について、MTXに対する優位性を初めて証明できた」と指摘した。