ヘルシンキ大学のMarjatta Leirisalo-Repo氏

 最近の関節リウマチ(RA)治療の場では、早期から強力な薬剤を使う、多剤を併用するといった、“aggressive therapy”の試みが盛んになされている。3種類のDMARDsプレドニゾロンの4剤併用レジメンに加え、最初の6カ月にインフリキシマブ(IFX)を投与する新たなレジメンの有用性を旧レジメンと比較したところ、新レジメンの効果は旧レジメンを上回り、IFX中止後も持続したことが確認された。ヘルシンキ大学のMarjatta Leirisalo-Repo氏らが欧州リウマチ学会(EULER)で報告した。

 本検討に先立って行われたFIN-RACo試験では、メトトレキサート(MTX)スルファサラジン(SSZ)ヒドロキシクロロキンHCQ;本邦未承認)+プレドニゾロンの4剤併用レジメン(FIN-RACoレジメン)により、早期RA患者において2年間で37%の寛解導入が認められているが、それでもなお、多くの効果不十分例が残される。そこで同氏らは、このレジメンに最初の6カ月間のみIFX投与を加えた新レジメンの効果を検討するNEO-RACo試験を計画した。

 組み入れ基準は、早期(罹病期間12カ月以内)かつ活動性のRAで、これまでにDMARDsの使用歴のない65歳未満の患者である。2003年3月〜2005年4月の登録期間に、この条件を満たす100例(うち女性67例)の患者が登録された。年齢(平均±SD)は46±10歳、罹病期間は2〜6カ月(中央値4カ月)、腫脹関節数(平均±SD)は15±6、圧痛関節数(平均±SD)は20±10、ESR(平均±SD)は33±22mm/時、HAQ(平均±SD)は1.0±0.7であり、68%がリウマトイド因子陽性であった。

 これらの患者は、無作為化の上、FIN-RACoレジメン+IFX(IFX群)、もしくはFIN-RACoレジメン+プラセボ(プラセボ群)に割り付けられた。各薬剤の投与量は、MTXが最大25mg/週、SSZが最大2mg/日、HCQが35mg/kg/週、PRDが7.5mg/日であり、これらに加えて、4、6、10、18、26週時にIFX(3mg/kg)もしくはプラセボが投与された。ただし、治療開始から3カ月を経過した時点でこれらの治療に不応あるいは忍容性不良であった場合は、DMARDsの変更が認められた。また、局所ステロイドの使用も可とされた。

 その結果、追跡終了時(24カ月時)における寛解率は、プラセボ群が58%、IFX群が70%と統計的有意差は見られないものの(p=0.08)、後者が高率であった。IFX群の寛解率は常にプラセボ群を上回っており、全期間を通じての寛解率は、IFX群が有意にプラセボ群よりも高かった(OR=1.97、95%CI:1.03-3.74、p=0.04)。特に、IFXが中止された6カ月目以降の通算では、その差はより大きくなった(OR=2.24、95%CI:1.24-4.06、P=0.0078)。

 さらに、プラセボ群のvdH変法Sharpスコアは、24カ月間で平均1.4ポイント進行(95%CI:0.8〜2.2)していたのに対し、IFX群では平均0.2ポイント減少(同:-1.1〜0.4)しており、有意な関節破壊の進行抑制が認められた(p=0.005)。

 以上のように、早期RA患者に最初の6カ月間のみIFXを上乗せするレジメンは、有意に優れた寛解導入効果を示し、2年後においても関節破壊進行抑制効果を有することが示された。この結果は、発症早期にこそ確実に疾患活動性を抑えることが重要だと考える最近の趨勢を支持するものといえよう。