英Leeds大学のPaul Emery氏

 最近の研究で、関節リウマチ(RA)患者に発症早期から生物製剤を使えば、寛解が導けることがはっきりしつつあるが、生物製剤とメトトレキサート(MTX)併用と、MTX単剤療法を比較した臨床試験で、X線画像上の関節破壊抑制についても有効性が示された。エタネルセプトと>MTXの併用療法と、MTX単剤療法を比べたCOMET試験(Combination of Methotrexate and Etanercept in Active Early Rheumatoid Arthritis)の成果で、英Leeds大学のPaul Emery氏らが、欧州リウマチ学会(EULAR)の一般口演で報告した。

 COMET試験の対象は、発症2年以内の早期活動性の関節リウマチで、MTXによる治療を受けたことがなく、疾患活動性(DAS28)スコアが3.2以上、ESR値が28mm/時以上、CRP値が20mg/L以上の患者。12カ月にわたる無作為化二重盲検試験が2度行われ、本学会では、X線画像で評価した関節破壊抑制効果を含めた1年目の結果が初めて報告された。

 全登録患者数は542人で、そのうちエタネルセプトとMTX併用群に割り付けられた265人とMTX単剤群に割り付けられた263人については臨床上の有効性を、また、併用群の246人とMTX単剤群230人についてはX線画像を使って関節破壊抑制効果を評価した。ベースラインの患者背景は同等で、抗リウマチ薬(DMARDs)による前治療歴があったのは患者全体の21%。患者の92%はDASスコア5.1以上と疾患活動性が高い患者だった。

 臨床的有効性についての主要エンドポイントは、治療開始から52週時点で寛解(DASスコア≦2.6)を達成した患者の割合。画像上の主要エンドポイントは、ベースラインと比較した第52週目の修正トータルシャープスコア(mTSS)の変化とした。他のエンドポイントは、低い疾患活動性(DAS≦3.2)を示した患者の割合、X線画像上で進行が見られなかった患者の割合(mTSS≦0.5)、関節破壊の進行や身体機能が良好(HAQスコア≦0.5)の患者の割合とされた。

 試験の結果、52週時点で寛解に達した患者の割合は、併用群で50%、単剤群で28%、低い疾患活動性に達した患者の割合は、併用群で64%、単剤群で41%だった。

 関節間隙狭小化JSN:joint space narrowing)スコアの変化の平均値は、併用群で0.01、単剤群で0.84、mTSSの変化の平均値は併用群で0.27、単剤群で2.44と、いずれも併用群で低かった。mTSS≦0.5と進行が見られなかった患者の割合は、併用群では80%(196/246人)、単剤群では59%(135/230人)だった。

 HAQスコアが0.5以下を達成した患者の割合は、併用群では55%(140/256人)、単剤群では39%(93/241人)だった。併用群の33人、単剤群の34人には重篤な副作用が生じたが、重篤な感染症や結核、悪性腫瘍の形成などはみられなかった。

 今回の結果は、生物製剤を早期から使えば、関節破壊の進行を食い止められることを示すとともに、関節リウマチ治療において何を持って寛解とするか、その定義にも影響を及ぼすことになりそうだ。