ドイツHeidelberg大学のRegina Max氏

 重度の関節リウマチ患者に対して、リツキシマブエタネルセプトを併用すると、単剤療法に比べて高い効果が得られる。ドイツHeidelberg大学のRegina Max氏は6月12日、欧州リウマチ学会(EULAR)のポスター発表で、重度の関節リウマチに対して抗体医薬の併用療法を行った結果を発表した。高価な抗体医薬の併用は現実的でない上、6人という限られた患者の治療結果ではあるものの、重度の患者に対してB細胞腫瘍壊死因子(TNF)αの両方を抑える有用性が示唆されたとも考えられそうだ。

 Max氏らは、当初、可溶性TNF受容体製剤のエタネルセプトによる治療を行っていたが、効果が減弱した18人の関節リウマチ患者について、抗CD20モノクローナル抗体のリツキシマブとメトトレキサートMTX)による治療に切り替えた。ただし、リツキシマブ投与後2カ月時点で再燃した患者や、リツキシマブの効果が見られなかった6人については、「倫理的な理由で」(Max氏)、リツキシマブ投与後4カ月時点から、エタネルセプトによる治療を再開し、リツキシマブによる治療も継続した。事実上、エタネルセプトとリツキシマブの併用療法を行ったわけだ。リツキシマブの効果が見られた残りの12人は、リツキシマブのみによる治療を継続した。

 併用療法を行った6人の患者背景は、女性が4人、若年性特発性関節炎が3人、関節リウマチを発症した平均年齢が30.0歳、平均罹患期間は17年、リツキシマブを投与した時点の平均年齢が47.0歳、RF陽性が3人、CCP陽性が3人、ANA(抗核抗体)陽性が5人だった。リツキシマブへの切り替えを行うまでの治療は、平均で6種類の抗リウマチ薬(DMARDs)と3種類の抗TNF療法を受けていた。

 なお、残りの12人の患者背景は、女性が7人、若年性特発性関節炎が0人、関節リウマチを発症した平均年齢が46.4歳、平均罹患期間は9.1年、リツキシマブを投与した時点の平均年齢が55.5歳、RF陽性が9人、CCP陽性が8人、ANA陽性が3人だった。

 結果は、併用療法を行った6人の患者は、リツキシマブ投与後2カ月時点では、DAS28スコアが6.5±0.7だったが、リツキシマブ投与後8カ月時点(エタネルセプトの再投与開始後6カ月時点)には、DAS28スコアが4.2±1.1に減少した。CCP値も68.9±40.4から7.4±5.2に減った。併用療法を開始した4カ月時点から28週時点まで、重篤な感染症は起こらず、気管支炎やインフルエンザの頻度も変わらなかった。

 これらの成果から、罹患期間が長く、疾患活動性が高い患者に対しては、リツキシマブとエタネルセプトの併用療法が効果的であることが示唆された。Max氏は、「現時点では、十分な経験がなく、膨大なコストがかかるので、現実的な治療手段にはなりえないものの、限られた患者にとっては有望な結果だ」と話した。