オランダTwente大学のIna Kuper氏

 関節リウマチ(RA)患者に対し、罹患後数カ月という超早期から抗リウマチ薬DMARDs)を使えば、臨床試験のようなコントロールされた状況だけでなく、実際の診療現場でもかなりの患者を寛解に導くことができる可能性が示された。オランダTwente大学のIna Kuper氏は、2008年6月11日、欧州リウマチ学会(EULAR)の「注目の話題」セッションで、寛解が現実のゴールになったことを裏付ける研究成果を発表した。

 Kuper氏らは、2006年1月から2008年1月の間に、オランダの3つの病院で関節リウマチと診断された早期の患者を対象に、寛解を狙って抗リウマチ薬を使ったステップアップ法による治療を施した。寛解は疾患活動性DAS28)スコアが2.6以下になった場合と定義した。

 ステップアップ法による治療は、メトトレキサート(MTX)15mg/週を投与して治療を開始し、治療開始から8週時点で寛解に達していなかった場合には、MTXを25mg/週に増量。さらに12週時点で寛解に達していなかった場合には、MTXにスルファサラジン2g/週を加え、20週時点で寛解に達していなかった場合には、スルファサラジンを3g/週に増量した。

 24週時点でも寛解に達しなかった場合には、MTXと完全ヒト抗腫瘍壊死因子(TNF)αモノクローナル抗体アダリムマブを加えた。その後は、3カ月ごとにDAS28スコアを測定し、48週時点で寛解に達していない患者については、アダリムマブを可溶性TNFα受容体とFcの融合たんぱく質であるエタネルセプトに切り替えた。いったん寛解に達した場合は、DASスコアが悪化しない限り、同じ治療を継続した。また、必要に応じて非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)プレドニゾロン10mg/日の投与や、コルチコステロイドの関節内注射を実施した。

 研究では、2008年1月までに190人の患者を組み入れ、解析は患者の組み入れ終了時点でDAS28スコアが3.2以上だった169人を対象に行った。患者背景は3つの病院で同等で、年齢は57.3歳、女性の割合は63.9%、リウマトイド因子陽性の割合は52.7%、罹患期間は16週、ESR値は33.2、CRP値は23.5、DAS28スコアは5.1、HAQスコアは1.3だった。

 結果は、8週時点で寛解に達したのは患者の15.5%(23/148人)、12週時点では22.2%(24/108人)、20週時点では30.7%(23/75人)、24週時点では38.8%(33/85人)、36週時点では52.1%(38/73人)、48週から52週の間に寛解を達成したのは51.0%(26/51人)だった。

 寛解に達した患者について、その治療法の内訳を見ると、MTX単剤で寛解を達成したのは65.7%、スルファサラジンを加えて寛解を達成したのは26.7%、何らかのTNF阻害薬を使って寛解を達成したのは3.8%だった。

 初めて寛解とみなされるまでにかかった期間の中央値は25.0週、初めて寛解に達した患者の3カ月後の寛解持続率は61.5%、6カ月後の寛解持続率は53.2%だった。

 本研究は、超早期の関節リウマチ患者に対する抗リウマチ薬のステップアップ投与によって、患者の多くを寛解に導ける可能性を、実地臨床の場で示した。