最近のいくつかの観察研究では、最初に投与した抗TNF薬が無効または効果不十分となった場合、他の抗TNF薬への切り替えによって改善効果が得られることが報告されている。しかし、最初の薬剤で得られた最大の効果を上回るほどの効果が切り替えによって得られるかどうかは定かではない。スウェーデン・カロリンスカ大学病院のvan Vollenhoven氏らは、スウェーデンの大規模レジストリーSTUREにおける切り替え例のデータを解析した結果、エタネルセプトETN)からインフリキシマブIFX)への切り替えが、臨床的に最も有用である可能性が高いと述べた。

 スウェーデンでは、IFX、ETNに加えアダリムマブADA)が使用されており、3薬剤の切り替えが可能となっている。STUREの登録患者においては、これまでに258例の患者が1つの抗TNF薬から他の抗TNF薬への切り替えを行っていた。切り替えの組み合わせは、IFXからETNへの切り替えが最も多く、以下IFX→ADA、ETN→IFX、ETN→ADA、ADA→ETN、ADA→IFXの順に高頻度であった。

 これらのうち、1剤目の抗TNF薬による最良の疾患活動性スコア(DAS)に比べ、切り替え後の最良のDASが最も大きく改善していたのは、ETN→IFXの切り替え例であった(4.34→2.87、ΔDAS;1.51、P=0.026)。また、IFX→ETNの切り替え例においても有意なDASスコアの改善が認められたものの(3.25→2.92、ΔDAS;0.59、P=0.0002)、ΔDASはETN→IFXよりも小さく、切り替えによる有益性は小さいという結果であった。その他のすべての切り替え例は、DASの有意な改善が認められなかった。

 以上より、抗TNF薬間の切り替えのうち、ETNからIFXへの切り替えは、臨床的に最も有用であることが示唆された。INFからETNへの切り替えについては、統計学的に有意な改善は得られるものの、改善の度合いはETNからINFへの切り替えほど大きくなかった。同じ2剤間で、切り替え方が逆だとそのメリットに差があるということについて、理由は定かでなく、各群の患者背景の差などが影響していた可能性も含め今後の検討課題と考えられた。