インフリキシマブIFX)+メトトレキサートMTX)による初期治療と、他の3つの治療戦略を比較したBeSt試験の最新のサブ解析結果が報告された。今回の解析は、当初からIFX+MTXに割り付けられた患者群と、他の治療からIFX+MTXへのステップアップを要した患者群との比較である。オランダLeiden大学病院のvan der Kooij氏は、後者においても切り替え後は前者と変わらぬ効果が得られたことを報告したが、これらの患者の多くは最初からIFX+MTX治療を考慮すべきハイリスク患者であったとして、リスクに応じた適切な治療法選択の必要性を説いた。

 BeSt試験は、抗リウマチ薬DMARDs)による治療歴がない早期(罹病期間2年以内)かつ活動性の関節リウマチ患者508例を対象に、(1)MTX単剤で治療を開始し、必要に応じて増量、他のDMARDsに変更(第1群)、(2)MTX単剤で治療を開始し、必要に応じて増量、他のDMARDsを追加(第2群)、(3)MTXと大量ステロイド(60mg/日)、スルファサラジンの併用で治療を開始(第3群)、(4)IFX+MTXで治療を開始(第4群)の4つの治療戦略群間の比較試験である。

 4年間の追跡において、第1〜3群の患者のうち86例(1群49例、2群12例、3群25例)が効果不十分などのためIFX+MTXへのステップアップを要した。これらの「delayed IFX群」の患者は、第4群すなわち「initial IFX群」(n=120)の患者に比して若年(平均49歳 vs 54歳、P=0.006)で、疾患活動性が高い(DAS 4.31 vs 4.67、P=0.002)という違いがみられた。

 IFX+MTX投与開始から9カ月後におけるDASスコアの改善は、initial IFX群が2.3、delayed IFX群が1.2であり、前者が有意に優っていた(P<0、001)。また、寛解(DAS<1.6)を達成した患者の割合も前者が優っていた(41% vs 26%、P=0.031)。同様に、HAQスコアの改善は、initial IFX群が0.8、delayed IFX群が0.3であり、やはり前者が有意に優っていた(P<0、001)。さらに、IFX+MTX投与開始から2年後には、initial IFX群の患者の56%が有効性が持続したため、プロトコールに従ってIFXからの離脱を果たしていたのに対し、delayed IFX群の離脱率は15%にとどまった(P<0.001)。

 しかし、initial IFX群とdelayed IFX群のBeSt試験開始時における患者背景を比較すると、delayed IFX群の方が有意に疾患活動性(DAS)や身体機能障害(HAQ)が高かった。即ちdelayed IFX群はより疾患が進行した治療抵抗性の患者が選択されている可能性が高いと思われた。そこで年齢、DASスコア、HAQスコア、リウマトイド因子など危険因子を考慮し、試験開始時に最もリスクの高い患者を各群より抽出し(initial IFX群:44/120例、delayed IFX群:60/86例)、IFX+MTXの効果を比較した。その結果、有意差はないもののHAQスコア、DASスコア、IFX離脱率といった治療成績は、initial IFX群の方が良好である傾向が認められた。

 以上の結果より、delayed IFX群におけるIFX+MTXの効果が劣る原因の1つは、delayed IFX群に本来なら早期からIFXを開始しておくべき患者が多く含まれていたためと考えられた。BeSt試験そのものが発症後早期の関節リウマチ患者を対象としているだけに、わずかなIFX開始の遅れも、治療成績の差となって現れたものと考えられる。

 van der Kooij氏は、「リスクを正しく見極め、治療抵抗性となるリスクが高い患者であれば治療初期からIFX開始を考慮する必要がある」と述べた。