変形性膝関節症患者の関節障害を評価するには、半屈曲位関節裂隙を測定するのが最も良いようだ。リウマチ学のアウトカム指標イニシアチブ(OMERACT)と国際変形性関節症学会OARSI)の共同研究の成果で、6月14日の一般口演で、パリ大学第5校Cochin 病院のLaure Gossec氏が発表した。

 Gossec氏らは、膝OAにおける関節障害の評価に用いる画像撮影法と画像評価法が関節障害の進行をいかに正確に示すかを比較検討した。検討には、膝OAの5つのデータベース(3試験、2コホート)から得たX線画像1759点と、それぞれの背景因子や臨床的パラメータが(WOMAC)を用いた。

 画像撮影法については伸展位と半屈曲位での撮影を比較し、画像評価法についてはKellgren LawrenceスコアOARSI関節裂隙狭小化ステージ、および関節裂隙測定値区分(関節裂隙をミリメートル単位で測定し、中央値と4分位数で区分)の3方法で心理測定学的特性が比較された。

 データ解析では、評価者間信頼性を50画像で評価した。その指標として2人の医師の読影の一致度(κ)が用いられた。また、変化に対する感度を50画像で評価し、診断した所見の時間的変化を決定した。さらに、臨床的パラメータを説明するため、構成概念妥当性 (construct validity)をロジスティック回帰分析で評価し、年齢、人種、性、Body Mass Index(BMI)で補正した。

 解析の結果、3つの画像評価方法は、1つのコホートを除いて、臨床パラメータとの間に関連性が認められなかった。1つのコホートではOAがあまり重篤ではなく、3つの画像評価方法は臨床パラメータと関係していた。

 評価者間信頼性は、伸展位での関節裂隙測定値区分(κ=0.86、95%信頼区間0.76〜0.96)がKellgren Lawrenceスケール(κ=0.56、同0.38〜0.73)やOARSIスケール(κ=0.48、同0.32〜0.64)よりも高かった。半屈曲位については評価されなかった。関節裂隙測定値区分は、伸展位と半屈曲位のいずれでも評価者信頼性が高く、再現性がより良好であることが示唆された。

 変化に対する感度は、半屈曲位の関節裂隙測定値区分(標準化反応平均0.49)がKellgren Lawrenceスケール(同0.22)やOARSIスケール(同0.34)よりも高く、関節裂隙測定値区分は、時間的変化や治療後の変化を、より敏感に検出できることが示唆された。

 こうした解析結果を踏まえてGossec氏らは、「関節裂隙測定値区分は他の画像評価法よりも信頼性と反応性が高く、とりわけ半屈曲位で高かった。このことから、半屈曲位における関節裂隙測定は、膝OAにおける関節障害の程度を評価する方法として最も適切と考えられる」とコメントしていた。