インフリキシマブIFX)の投与方法は点滴静注であり、通常は1回の点滴静注に2時間以上かける。しかし、医療現場からは、より短時間での投与の可否を問う声もある。スペイン・サンティアゴ病院のEva Perez-Pampin氏らは、201例、3257回のIFX投与に伴う投与時反応の発現データをまとめた結果、点滴時間を短縮しても投与時反応が増加することはなかったことを報告した。

 Perez-Pampin氏らの施設では、2000年4月から2006年12月までに、201例の患者(女性133例、男性68例)に対して計3257回のIFX点滴投与を行っている。対象疾患は関節リウマチが131例(65.2%)、強直性脊椎炎が30例(15%)、乾癬性関節炎が26例(13%)、他のリウマチ性疾患が14例(6.8%)であった。このうち112例(55.7%)に対するIFX点滴は通常の点滴速度(≧2時間)で投与を行ったが、89例(44.3%)は点滴時間を短縮しての投与が試みられた。

 投与時反応の発現は、全3257回の投与のうち37回(37例)に認められ、発現頻度は1.13%であった。しかし、このうち点滴時間短縮例に発生したものは9件(24.4%)のみであり、他の28件(75.6%)は通常の点滴速度での投与例に発生したものであった。最も多くみられた投与時反応は高血圧(25例、12.4%)や低血圧(8例、4%)などの血圧異常であり、その他には呼吸困難(14例)、脈拍異常(10例)、吐き気(9例)などが認められた。

 投与時反応を起こした37例のうち32例(86.5%)はメトトレキサート(MTX)を併用、26例(70.3%)はステロイドの併用者であった。なお、37例中34例は関節リウマチ患者であったが、その疾患活動性は8例が寛解状態(DAS28<2.6)、21例が低〜中等度活動性(同2.6-5.1)、5例が高活動性(同>5.1)とまちまちであり、投与時反応の発現との関連性は認められなかった。また、残る3例の強直性脊椎炎患者についても、疾患活動性と投与時反応の間に関連性は認められなかった。

 以上より、今回の検討を見る限り、IFX投与に伴う投与時反応の発現は点滴時間の長短とは無関係であるように思われた。また、疾患活動性もその予測因子とはならなかった。これらの知見は、より短時間でのIFX点滴実施のニーズに対する答えを与えるものかもしれない。