毎日ワイン1杯分、あるいは缶ビール1本分以上のアルコールを摂取する人は、ほとんど摂取しない人に比べて関節リウマチRA)にかかるリスクがほぼ半分−こんな研究結果が欧州リウマチ学会で報告された。遺伝的素因がある喫煙者ではRAの罹患リスクが特に高いが、飲酒量が多いほど喫煙の悪影響を打ち消す傾向も見られた。3000人を対象とした症例対照研究の成果で、スウェーデン・カロリンスカ研究所のHenrik Kallberg氏が6月15日の一般口演で報告した。

 Kallberg氏らは、アルコール摂取がRA発症に与える影響を調査、併せて喫煙、遺伝子、抗CCP抗体との関連性を調査した。研究は、スウェーデンのリウマチ疫学研究プロジェクト「EIRA」(Epidemiological Investigation of Rheumatoid Artritis)の一環として、行われた。

 症例群として、1987年米国リウマチ学会規準(ACR1987)に合致したRA患者1419人、性、年齢、居住地域をマッチさせた対照群1674人を選び、アルコール摂取量などを調査した。

 その結果、アルコールを週に0〜3ユニット(Low)摂取する群と比較したリウマチ罹患リスクのオッズ比は、3〜10ユニット(Middle)で0.6、10ユニット以上(High)では0.5と有意に低かった。非飲酒群(None)のオッズ比は有意ではないがオッズ比は1.1だった。飲酒量が多いほどオッズ比は低く、トレンドも有意だった(p<0.0001)。

 1ユニットはエチルアルコール10mL分で、レギュラーサイズの缶ビール(350mL)とグラスワイン1杯(120mL)はどちらもほぼ1.5ユニットに相当する。週当たり10ユニットのアルコール量とは、1日を休肝日にして、毎日レギュラー缶ビール1缶、あるいはグラスワイン1杯を飲む量とほぼ同じだ。

 Kallberg氏らは次に、関節リウマチの遺伝的素因を示すマーカーのひとつでもあるHLA-DRB1共有エピトープ(SE)と喫煙、抗CCP抗体と飲酒量との関連性を調べた。その結果、抗CCP抗体陽性のRAリスクについて、HLA-DRB1 SEなし群に対して、あり群はリスクが高い傾向にあり、なかでもSEありの喫煙群では、飲酒量が多いほどリスクが減少する強い量反応関係があった。HLA-DRB1 SEなし・非喫煙で飲酒Low群を1としたオッズ比を見ると、HLA-DRB1 SEあり・喫煙群では、非飲酒(None)で7.8、飲酒(Low)で3.9と高かった。

 記者発表で座長を務めた今期大会長のTore Kvian氏は、「興味深い結果だが、不適切な飲酒は社会的、医学的な弊害もあるため、さらなる臨床研究が必要」と指摘していた。