メトトレキサートMTX)単独治療に抵抗性を示す活動性の関節リウマチRA)に対して、ポリエチレングリコール(ペグ)を結合させた新規の抗TNFα抗体セルトリズマブ・ペゴル」(CZP)追加投与の有効性が明らかになった。セルトリズマブ・ペゴルのRAにおける初の大規模第3相臨床試験「RAPID 1」の中間解析結果で、同試験の詳細な結果が公表されるのは本学会が初めて。カナダ・トロント大学のEdward Keystone氏が6月14日の一般口演で報告した。

 RAPID 1は、52週間の二重盲検プラセボ対照群間比較試験として実施された。MTX単独療法に抵抗する活動性RA患者に対し、MTXに加えてCZPを2通りの方法で投与し、有効性と忍容性を検討した。

 中間解析の結果、MTXに加えてCZPを投与する治療は、いずれも、MTX単独に比べて活動性RAの所見や症状を有意に減少させた。主要エンドポイントの1つである24週時点のACR20は、プラセボ群が14%であったのに対し、CZP投与群はいずれも約60%と、有意かつ大幅に改善した。

 CZPは現段階で唯一のペグ化されたヒト化抗TNFα抗体製剤。一般にIgG抗体はY字型をしていて、上部で抗原を認識する。CZPではこの上部だけを切り出した「Fab'断片」にポリエチレングリコール(ペグ)を結合させている。Y字の下の縦棒に相当する「Fc」と呼ばれる部位を持たないため、Fc部分を介して引き起こされる細胞毒性を回避できる可能性があるとされる。

 臨床応用はクローン病が先行しており、第3相臨床試験で有用性が確認されたのを受けて、昨年3月と4月に欧米で承認申請された。RAに対しては、本稿で紹介しているRAPID 1(凍結乾燥製剤)と同時に、RAPID 2(液剤)の第3相試験が実施された。

 RAPID 1では、MTX単独治療を6カ月以上受けた患者982例を、MTXに加えて、CZP200mg群(393例)、CZP400mg群(390例)、プラセボ群(199例)をそれぞれ併用する治療法に無作為に割り付けた。CZP200mg群には400mgを3回投与(0、2、4週)後、200mgを2週間隔で投与し、CZP400mg群には400mgを2週間隔で投与した。主要評価項目は、24週時点のACR20と、ベースラインから52週までの修正総シャープスコア(mTSS)の変化とし、2次評価項目としてACR50、ACR70を調べた。

 24週後のACR20、ACR50、ACR70はそれぞれ、CZP200mg群59%、37%、21%、CZP400mg群61%、40%、21%だった。これに対して、プラセボ群では14%、8%、3%であり、CZP投与群では、すべての指標でプラセボ群に対して有意に高値であった(いずれもP<0.001)。CZP200mg群とCZP400mg群の間では有意差が認められなかった。

 CZPを投与した2群では、治療を開始した最初の週から効果が発現し、ACR50とACR70については、治療開始後14週〜16週で最大になった。

 100人・年当たりの有害事象は、CZP200mg群で96.6、CZP400mg群で94.6、プラセボ群では125.9。比較的高い頻度で発現した有害事象は、高血圧、頭痛、背部痛、尿路感染、鼻咽頭炎、上部気道感染などであった。