慢性的な膝痛は、健康状態QOLに重大な影響を及ぼすとされるが、膝痛に伴うことが多い、他の部位からの痛みの影響についてはほとんど考慮されていない。スウェーデンSpenshult病院リウマチ科のCarina A. Thorstensson氏らは、膝痛には限局性のものと広範な痛みの一部である場合があり、QOLなどに与える影響が異なるとする調査結果をまとめ、6月16日のポスターセッションで発表した。

 同氏らは、スウェーデンの20〜74歳の一般住民から無作為に抽出した2357人について、痛みの発現に関する郵便調査を実施した。慢性的な膝の痛みがあると回答した335人(平均52歳、女性56%)を、膝の痛みのみを有する群(22人)、膝の痛みと他の部位の局所的痛みを有する群(128人)、広範な痛みの一部分として膝の痛みを有する群(185人)の3群に分けて、自己申告された健康状態を評価した。健康状態の評価にはSF-36健康関連QOLの尺度)を用いた。

 その結果、膝の痛みのみを有する群(22例)では、SF-36のスコア(スコアが高いほど良好)は、健常群よりもやや低い程度で、下位尺度のうち社会生活機能と心の健康については健常群と同等だった。ところが、膝の痛みと他の部位の局所的痛みを有する群と広範な痛みの一部分として膝の痛みを有する群ではスコアの低下が大きく、年齢と性で調整したスコアは、すべての下位尺度について、健常者との間に有意差が認められた(P<0.05)。中でも広範な痛みの一部分として膝の痛みを有する群のスコアが最も低かった。

 これらの結果を踏まえてThorstensson氏らは、「膝痛は他の局所の痛みや広範な痛みを伴うことが多いため、QOLへ影響を評価するには、その点を考慮する必要がある」としていた。