関節リウマチRA)の長期予後は女性の方が悪いことが知られているが、それが何によってもたらされるのかはよく分かっていなかった。スウェーデン・カロリンスカ大学病院リウマチ科のRonald van Vollenhoven氏らは、メトトレキサートMTX)単独療法に対する反応における男女差について分析し、性差はあるとしても非常に小さいこと、現在用いられている疾患活動性の評価指標自体が性差の影響を強く受けるため、分析には注意が必要なことを指摘、6月14日の一般口演で報告した。

 van Vollenhoven氏らは、スウェーデンで実施されたSWEFOT試験の導入段階(オープンラベル)のデータ(456例)をもとに、MTX単独療法に対する反応性の性差について解析した。同試験では、罹病期間1年未満の早期RA患者すべてが最初同じ用量のメトトレキサートで治療されたが、治療3〜4カ月後に活動性指標DAS28が3.2未満に低下した患者の割合は女性よりも男性で有意に高かった。

 解析の結果、DAS28の平均値は治療開始前には女性の方が高く(女性5.8、男性5.5、 P<0.002)、治療による減少は男性のほうが有意に大きかった(女性1.6、男性1.9、P<0.05)。

 DAS28の算出に用いられる変数のうち、腫脹関節数は治療開始前で男性がわずかに高く、治療3〜4カ月後には男性がわずかに低かったが、その変化に有意差は認められなかった。圧痛関節数と患者による全般評価は、治療開始前(P<0.002)と治療3〜4カ月後(P<0.05)のいずれも女性のほうが有意に高値で、変化は同等だった。ESR(赤沈)は治療開始前に同等であったが、治療3〜4カ月後には女性が有意に高くなり(P<0.005)、その変化には有意差が認められた(P<0.01)。

 これらの変数が治療開始前のDAS28の差を説明する確率を算出すると、圧痛関節数76%、患者による全般評価28%、赤沈4%、腫脹関節数-8%であった。また、治療3〜4カ月後のDAS28の差を説明する確率は、圧痛関節数28%、患者による全般評価26%、赤沈40%、腫脹関節数6%であった。

 van Vollenhoven氏は、SWEFOT試験で治療3〜4カ月後にDAS28が3.2未満に低下した患者の割合に性差が認められたことについて、「治療開始前のDAS28に差があったことによる可能性が高い。この差には、主に圧痛関節数と患者による全般評価が寄与したと考えられる」と考察。その上で、「MTX単独療法に対する反応性には性差が存在する可能性があるが、中枢の痛みの処理での性差に比べて非常に小さい。DAS28の値、とりわけ疾患状態のカットオフとEULAR response criteriaは、性による影響を強く受けるため、それらのデータは女性と男性で区別して示すべきである」と結論付けていた。