関節リウマチRA)で心血管疾患リスクが増加していることはよく知られており、原因として、全身性の炎症ステロイド治療インスリン抵抗性などによる動脈硬化の促進が指摘されている。イタリア・ジェノバ大学リウマチ科のBruno Seriolo氏らは、24週間の抗TNFα療法により、RA患者のインスリン抵抗性が有意に減少したことを、6月14日の一般口演で報告した。

 対象はステロイドプレドニゾロン7.5mg/日)とメトトレキサートMTX、10mg/週)による治療を受けている活動性RA患者52例。うち32例には抗TNFα療法を施行し(抗TNFα療法群)、他の20例はステロイドとMTXによる治療を継続した(対照群)。

 抗TNFα療法群のうち、17例にはエタネルセプト(25 mg、週2回)を、15例にはインフリキシマブ(3 mg/Kg、0、2、6日目、8週ごと)をそれぞれ投与。いずれも治療期間は6カ月とした。臨床評価には、28関節の腫脹と圧痛に関する疾患活動性スコア(DAS-28)を用いた。インスリン抵抗性の評価には、HOMA指数と定量的インスリン感受性チェック指数(QUINCKI)を用いた。

 抗TNFα療法群と対照群の患者背景(年齢、リウマチ因子、罹病期間、赤沈、CRP、DAS-28スコア、健康評価質問表(HAQ)スコア、BMI)、エタネルセプト群とインフリキシマブ群の患者背景はいずれも同等だった。

 24週間後、抗TNFα療法群では、DAS-28が5.8±1.2から3.5±0.6に有意に減少した(P<0.002)。HOMA指数は3.037±0.594から2.760±0.769に有意に減少し(P<0.01)、QUINCKIは0.325±0.010から0.331±0.013に有意に増加した(P<0.01)。HOMA指数とQUINCKIは、インフリキシマブ群とエタネルセプト群の間で有意差が認められなかった。

 Seriolo氏はこれらの結果から、「抗TNFα療法は、RA患者のインスリン抵抗性を改善し、動脈硬化や心血管リスクを減少させる可能性がある」と結論づけていた。


【訂正】6/18に以下のように訂正しました。
 第1段落で「ポスターセッションで報告した」とありましたが正しくは「一般口演で報告した」でした。第4段落で「健康評価質質問表(HAQ)スコア」とありましたが、正しくは「健康評価質問表(HAQ)スコア」でした。訂正します。