関節リウマチRA)に関連した間質性肺疾患RA-ILD)は、全死亡の強力な予測因子であり、ベースラインでRA-ILDを有する患者では抗TNF療法後の死亡リスクが高い。英マンチェスター大学のWilliam Dixon氏らは、6月14日の一般口演でこんな研究成果を報告した。

 RA-ILDはRAの関節外症状のひとつ。RA患者の総死亡の20%程度を呼吸器系死亡が占め、さらに呼吸器系死亡の20%前後はRA-ILDによるともいわれている。しかし、RA-ILD患者の予後についてはあまり知られていない。また、抗TNF療法がその進行に及ぼす影響についてもよく分かっていない。Dixon氏らはこれらの点を踏まえて、RA-ILDと抗TNF療法、死亡の関係を調べた。

 Dixon氏らは、2001年から始まったBSR Biologics Registerに登録された抗TNF療法コホート(エタネルセプト3972例、インフリキシマブ3110例、アダリムマブ2212例の計9294例)と、その比較コホート(DMARDs療法を受けている活動性RA患者2454例)を前向きに経過観察した。

 ベースラインでは、医師の報告によるRA-ILDと、RA-ILD以外の関節外症状、リウマチ因子などに関する情報を収集した。全例について英国立統計局の死因情報と照合した。経過観察の途中で抗TNF療法に切り替えた患者90例については、切り替え時点まではDMARDsコホートに、それ以降は抗TNF療法コホートに含めた。Cox 回帰分析を用いて、年齢、性、疾患重症度、関節外症状、リウマチ因子、喫煙で調整した死亡リスクも算出した。

 その結果、ベースラインでRA-ILDが認められた患者は、比較コホートの1.8%、抗TNF療法コホートの2.9%で報告された。全体として、ベースラインのRA-ILDは関節外症状(オッズ比3.1)、リウマチ因子(OR=1.9)、喫煙(OR=1.7)とそれぞれ関連していた。ベースラインでRA-ILDを有する患者では、そうでない患者よりも全死亡が有意に高く、抗TNF療法も含めて調整した死亡のハザード比(HR)は2.12(95%信頼区間:1.52-2.95)だった。

抗TNF療法コホートにおけるRA-ILD群の死亡リスクは、有意ではないものの、比較コホートのRA-ILD群よりも高い傾向にあった(HR=1.94、0.52-7.26)。死亡証明書でRA-ILDとされた患者は、抗TNF療法コホートのRA-ILD群に14例(5%)いたが、比較コホートのRA-ILD群にはいなかった。

 Dixon氏らはこれらの結果から、「ベースラインのRA-ILDはリウマチ因子、喫煙、RAの他の関節外症状と関係する。RA-ILDは全死亡の強力な予測因子であ、ベースラインでRA-ILDを有する患者は、抗TNF療法後の全死亡リスクが高い」と述べていた。