米国カイザー医療センターのStanford M. Shoor氏

 非選択的NSAIDsを服用した患者における心筋梗塞の発症と心イベントによる死亡のリスクは、非服用者に対し、インドメタシンでは1.27倍、ナプロキセンでは1.14倍になることが、大規模なコホート内症例対照研究でわかった。米国カイザー医療センターのStanford M. Shoor氏らが6月22日の口演セッションで発表し、「非選択的NSAIDsによる心イベントの危険性は低いが、心血管疾患の高リスク患者には投与を控えたほうがいい」と警告した。

 選択的COX-2阻害薬の服用で心疾患のリスクが高くなることは既に報告されており、米国食品医薬品局(FDA)はすべての非ステロイド系抗炎症薬NSAIDs)に警告表示を追加すべきであるとしている。そこで研究グループは、非選択的NSAIDsでも同様の影響があるのかを調べるため、カイザー医療保険に加入しているカリフォルニア州住民のうち、1999年1月1日から2001年12月31日までの3年間にNSAIDsを服用した約139万人のデータを分析した。

 その結果、急性心筋梗塞による入院と心イベントによる突然死の合計は8199人。平均年齢は67歳、男性が6割を占めた。コホート内で年齢、性別、地域を一致させた患者を対照群とし、非選択的NSAIDsを2カ月以上服用していない人に対するオッズ比を求めたところ、インドメタシン(165人)を服用していた人のオッズ比は1.27(p=0.021)、ナプロキセン(367人)は1.14(p=0.046)だった。

 ジクロフェナク(21人)は1.72(p=0.058)と高かったが、サンプル数が少なく統計的に有意ではなかった。このほかの、エトドラックのオッズ比は1.34、イブプロフェンは1.08、ナブメトンは1.09、ピロキシカムは0.87、スリンダクは1.18だったが、いずれも有意ではなかった。

 次に対照群から無作為に選んだ831人に対し、低用量アスピリンの服用について電話で調査したところ、各種NSAIDごとの服用率はいずれも約2割と違いがなく、データ間に片寄りがないことがわかった。本発表と同じセッションで、アスピリンの併用が急性心筋梗塞の発症を抑制するとした研究成果の報告もあったが、本研究の結果はアスピリン併用のバイアスはほぼ受けていないことになる。