本邦で実施されたインフリキシマブの使用成績調査(2005年7月に登録終了)は、約7000例が登録され、世界的にも大規模な調査となっている。特に、欧米人に比べ東洋人でのデータが少ないことから、日本人を対象とした本調査の成績は貴重なデータベースである。本邦でのインフリキシマブの発売元である田辺製薬でMedical Affairsを務める多月氏らは、6カ月の追跡期間を終了した5000例について、投与時反応の発現状況を詳細に解析。6月23日のポスターセッションで、本調査で報告された投与時反応の大部分は軽度から中等度であり、重篤なものは0.1%にすぎず、これらは特に開発治験に参加した患者で長期休薬後に再投与した場合に発現しやすかったことを報告した。

 投与時反応は9.7%(484/5000例)に認められ、主な症状は発熱(2.4%)、ほてり(1.6%)、発疹(1.5%)、頭痛(1.4%)、蕁麻疹(1.2%)、血圧低下(0.8%)、冷感(0.4%)などであった。これを、例数ベースではなく点滴回数ベース(投与時反応が生じた点滴の回数/全点滴の回数)でみると、投与時反応の発現率は3.0%(685回/2万2554回)であり、重篤な投与時反応の発現率はわずか0.1%(24/2万2554回)であった。

 投与時反応のリスク因子を調べるため、重篤な投与時反応を起こした24例について患者背景による解析が行われたが、年齢、性別、罹病期間、重症度、アレルギーの既往、ステロイド使用状況などには有意差が認められず、「本剤の開発治験への参加」と「メトトレキサート(MTX)の併用量」の2項目で有意な相関が示された。

 開発治験に参加していない患者の場合、重篤な投与時反応の発現率は初回投与から6回目の投与まで0〜0.1%と変化がなかったが、参加経験のある患者では2回目投与時において10.2%と頻度が著しく上昇した。

 一方、MTXの併用量については、6〜8mg/週が0.3%と最も低く、6mg/週未満では0.8%、8mg/週以上では1.5%であった(発現率はいずれも症例数ベース)。

 同氏らは、「重篤な投与時反応は開発治験の参加者に多かったことから、長期間の休薬はリスク因子と考えられる。目安として2年以上の長期休薬を経た後に再投与を行う場合には、前投薬なども含めた十分な注意・対策を行う必要があると考えられる」とコメントした。