スウェーデンMalmo大学病院のL. T. H. Jacobsson氏

 関節リウマチ(RA)患者の生命予後に影響する主な因子として、冠動脈疾患や重症感染症が知られている。スウェーデンMalmo大学病院のL. T. H. Jacobsson氏は、自国のRA患者登録データベースを用いて抗TNFα療法を受けた患者と従来治療を受けた患者の死亡率を比較した。この解析結果は、6月24日のポスターセッションにて発表された。

 今回の解析対象となったのは、1997年に開始されたスウェーデンのRA患者登録システムの登録症例と、南スウェーデン地区で1999年に開始されたRA患者登録システムの登録症例の登録症例であり、後者のデータベースは1999年以降に同地域で抗TNFα療法を開始したRA患者の9割以上をカバーしているという。

 登録患者のうち80歳未満の症例を抽出し、抗TNFα療法群(949例)と従来療法群(734例)に分けて死亡率を比較した。その結果、従来療法群に対する抗TNFα療法群のハザード比(年齢、性、呼吸器疾患・糖尿病・冠動脈疾患の合併で補正)は0.65(95%信頼区間0.46-0.93)となり、35%の有意な低下が示された。しかし、これを男女別に解析すると、女性では0.52(同0.33-0.82)、男性では0.95(同0.52-1.71)となり、男性では有意な死亡率低下がみられなかった。なお、80歳以上の患者(28例)を解析すると、抗TNFα療法群のハザード比は1.64(同0.88-3.04)と増加傾向がみられたものの,有意な差ではなかった.

これらの結果を踏まえ、Jacobsson氏は「抗TNFα療法による積極的治療は、RA患者の生命予後の改善にもベネフィットがある」と考察した。