埼玉医科大学総合医療センターの竹内勤氏

 わが国で実施されたインフリキシマブ使用成績調査(2005年7月に登録終了)は、約7000例が登録され、世界的にみても大規模な調査である。埼玉医科大学総合医療センターの竹内勤氏らは、6カ月の追跡期間を終了した5000例について解析結果を詳細にわたり報告した。本演題は6月24日のポスターセッションにて発表された。

 解析対象の患者背景は、女性が79%を占め、年齢は50歳代が最も多く、60歳以上が約40%であった。病期分類ではstage3〜4が71.5%、機能分類ではclass2〜3が88.1%と、わが国ではインフリキシマブが主に中等度から重症の患者に投与されていた。

 副作用全体の発現率は28.0%で、重篤な副作用の発現率は6.2%であった。これらを登録順に1000例ごとに区切ってみていくと、副作用全体の発現率は登録1〜1000番では35.0%であったが、4001〜5000番では22.4%に低下していた。一方、重篤な副作用は登録時期による変化はなく、6%前後で推移した。

 また、器官分類別に副作用の発現率をみると、「全身障害投与局所様態」「感染症」「神経系障害」「皮膚、皮下組織障害」にピークを認めた。この傾向は、登録順1000例ごとにみても変わらなかった。

 インフリキシマブの副作用で特に重要とされるものについても、登録順1000例ごとの発現率が細かく示された。結核は最初の2000例で11例に発現したが、後半の3000例では3例へと著明に減少した。投与時反応でも同様に、後半の登録例ほど減少した。竹内氏は「結核発現例の減少は、投与前のスクリーニングや抗結核薬予防投与の普及によるものと考えられる。また、投与時反応の減少についても、投与スピードの調節、抗ヒスタミン薬ステロイド薬などによる前処置といった対応がとられるようになったためであろう」とコメントしている。
 一方、ニューモシスティス肺炎(疑い)と間質性肺炎では、こうした減少傾向はみられず、同氏は「インフリキシマブ投与中に肺炎をみた場合は、早期に鑑別診断を行い、必要に応じて複数の肺炎治療薬の投与を行うことが望ましい」と注意を促した。

 このようにインフリキシマブの安全性プロファイルが明らかにされるとともに、有効性判定(「著効」「有効」「無効」の3段階による主治医評価)でも、22週時で91.6%という極めて高い有効率(著効+有効)が報告された。インフリキシマブに関しては、既報の多くが欧米(白人)でのデータであったことも加味すると、海外で効果・安全性が認められたRA治療薬とはいえ、日本のRA患者を対象とした大規模調査で海外の臨床経験と同様の効果・安全性が確認されたことの意味合いは大きいと言えるだろう。