オランダLeiden大学病院のVan der Kooij氏

 従来の抗リウマチ薬DMARDs)やインフリキシマブによる新旧4つの治療戦略で関節リウマチ(RA)患者を治療し、臨床症状や関節破壊の抑制を比較検討したBeSt試験から、これらの治療がRA患者の心血管疾患リスクに及ぼす影響を解析した成績が報告された。オランダLeiden大学病院のVan der Kooij氏が、6月24日のポスターセッションで発表した。

 BeSt試験の対象は、DMARDsによる治療歴のない早期(罹病期間2年以内)かつ高疾患活動性の患者508例で、これらを次の4つの治療戦略群に割り付け、追跡を行っている。第1群はDMARDs単剤の切り替え(DMARDs単独療法群)、第2群はDMARDsの上乗せ(step-up療法群)、第3群は治療初期から大量のステロイドを含むDMARDsの併用(step-down療法群)を行い、第4群はインフリキシマブ療法から治療を開始する(インフリキシマブ療法群)。

 同氏は、これら4群のうちstep-down療法群とインフリキシマブ療法群の261例のデータを解析した。ベースラインの年齢、血糖値、冠動脈疾患関連の薬剤使用率、非ステロイド性抗炎症薬NSAIDs)およびCOX-2選択的阻害薬の使用率は、両群間で有意差がなかった。

 試験開始からの1年間に、有害事象として報告された冠動脈イベント心筋梗塞狭心症不整脈など)の数は、step-down療法群9件、インフリキシマブ群4件であった。

 さらに、体重や血圧の変化を比べたところ、体重はstep-down療法群で平均1.5kgの増加がみられたのに対し、インフリキシマブ療法群での増加は0.5kgであった。血圧(収縮期/拡張期)は、step-down療法群では0.4/1.5mmHg低下、インフリキシマブ療法群では5.7/2.3mmHgと後者でより低い傾向が示された。

 Van der Kooi氏は、「インフリキシマブ群では収縮期血圧が有意に約5mmHg低下しており、それが心血管系イベント発症の抑制効果に寄与した可能性が考えられる。ステロイドを併用した群で体重増加が大きかったことも注目すべき点だろう」とコメントした。