スイスSerono International社のA.Munafo氏

 スイスSerono International社のA.Munafo氏らの研究グループは、関節リウマチ治療薬として開発を進めているTACI-Igがフェーズ1b用量段階増量試験で有望結果が得られたことを明らかにした。中等度から重度の関節リウマチ患者を対象にした投与で、全身性、局所性にも患者は十分投与に耐えることができた上に、IgMなどの抗体の減少、リウマチの病状の指標であるACR20、DAS28について有効な傾向が確認できたという。成果は6月23日の口演セッションで発表された。

 TACI-IgはTACI受容体の細胞外リガンド結合部分とヒトIgGのFc領域を融合させた組み換えたんぱく質。B細胞の成熟、増殖、維持を刺激する因子であるBLySとAPRILの阻害剤として働く。

 フェーズIb臨床試験はプラセボを設定した二重盲検試験として、活動性で中等度から重度の関節リウマチ患者を対象に5カ国7施設で行われた。試験は70mg(被験者数(6人)、210mg(6人)、630mg(6人)を単回皮下投与する3つのグループと70mgを2週間あけて3回(9人)、210mgを2週間あけて3回(9人)、420mgを2週間あけて7回(19人)繰り返し投与するグループの計6グループに分けて行われた。それぞれのグループには、TACI-Igと人数で3対1の比率になるようにプラセボ群が設定され、全部で73人の患者が臨床試験に参加した。

 その結果プラセボ群、TACI-Ig投与群の間で副作用の頻度、重さについて大きな違いは見られなかった。そして副作用の程度はほとんどのものが軽度か中等度のものだった。TACI-Igの体内動態を調べたところ、皮下注射後2日以内に最高体内濃度に到達し、半減期は14日以上と長い期間であることが分かった。関節液の予備的な解析から、TACI-Igが炎症を起こしている関節に到達していることが示唆された。7回繰り返し投与した19人の患者では、平均でIgMが54%、IgAが37%、IgGが21%減少していた。同様に、IgMクラスのリウマトイド因子(IgM-RF)、IgAクラスのリウマトイド因子(IgA-RF)、IgGクラスのリウマトイド因子(IgG-RF)も40%から45%減少していた。全体および成熟B細胞の数は3カ月たった時点で投与開始時の30%から40%減少した。

 また、ACRスコア、DAS28についても有効性を示す傾向が認められた。プラセボ群(6人)ではACR20、ACR50、ACR70に到達した患者は全くなかったのに対して、7回投与群では投与開始後12週の時点でACR20で19人中5人、ACR50で19人中2人、18週の時点でACR20で19人中4人、ACR50で19人中3人、ACR70で19人中2人が到達した。