オランダLeiden大学病院のVan der Bijl氏

 BeSt試験は、従来の抗リウマチ薬DMARDs)やインフリキシマブによる新旧4つの治療戦略関節リウマチ(RA)患者を治療し、臨床症状や関節破壊の抑制を比較検討するというユニークな臨床試験である。6月23日、オランダLeiden大学病院のVan der Bijl氏は、本試験の3年フォローアップの成績を口演した。

 BeSt試験の対象は、DMARDsによる治療歴のない早期(罹病期間2年以内)かつ高疾患活動性の患者508例で、これらを次の4つの治療戦略群に割り付け、追跡を行っている。第1群はDMARDs単剤の切り替え(DMARDs単独療法群)、第2群はDMARDsの上乗せ(step-up療法群)、第3群は治療初期から大量のステロイドを含むDMARDsの併用(step-down療法群)を行い、第4群はインフリキシマブ療法から治療を開始する。

 同氏は、インフリキシマブ療法を受けた第4群120例の経過を報告した。この群では、疾患活動性が低下しない場合(DASスコア>2.4)、インフリキシマブを増量し、最大用量のインフリキシマブでも不応の場合はスルファサラジン(SSA)へ切り替えるが、逆に疾患活動性の低下が持続した場合(DASスコア<2.4が6カ月以上持続)はインフリキシマブを減量・中止し、メトトレキサート(MTX)単独投与へ切り替えるという治療戦略をとっている。

 2年の追跡結果では120例中インフリキシマブ治療を受けた112例のデータが得られた。このうち77例が疾患活動性の低下によりインフリキシマブを中止し、MTX単独療法へと移行した。10例では、いったんインフリキシマブの中止に至ったがその後、同薬を再開し、13例ではインフリキシマブを中止することなく継続して投与された(インフリキシマブ継続群)。

 今回発表されたデータによると、3年経過時点でインフリキシマブを中止していたレスポンダー群67例のうち67%(45例)の症例でMTX単独療法が継続されており、インフリキシマブが再開された症例は6%(4例)にすぎなかった。注目すべきは、寛解(DASスコア<1.6)が6カ月継続したためMTXをも中止し、DMARDsを全く必要としなくなった症例が24%(16例)存在したことである。

 一方、インフリキシマブ継続群をみると、74%がそのまま3年経過時点まで同薬による治療を継続していた。この群でもMTX単独療法への移行ないしはDMARDs不要となった症例が13%(3例)存在した。
 
 以上の結果を総合すると、3年間の追跡期間において、53%(64/120例)がインフリキシマブによる治療から“卒業”できており、さらに14%(17/120例)では薬物療法そのものから“卒業”していた。

 同氏は、「早期からのインフリキシマブによる積極的治療は、寛解導入に非常に有効である」と語った。