関節リウマチ(RA)患者では、疾患に伴う症状の1つとしても、またステロイドなど薬剤の影響によっても、骨粗鬆症が進行する。仏Edouard Herriot病院のMarotte氏は、RA患者の骨密度に対するインフリキシマブの影響を検討した。その結果、同薬の投与を受けた患者では、疾患活動性が改善しなかった場合でも、骨密度の低下が抑制されたという。研究成果は6月23日のポスターセッションにて報告された。

 対象は、同氏らの施設で診療した関節リウマチ患者の166例。そのうち86例にはインフリキシマブが投与され(インフリキシマブ群)、80例にはメトトレキサートが単独で投与されていた(MTX群)。ベースラインのDAS28スコアはインフリキシマブ群が5.37、MTX群が5.06で有意差はなかった。また、現時点でのステロイド使用率には差はなかったが、過去のステロイド使用率についてはインフリキシマブ群が有意に高く、同群78%に対してMTX群は59%であった(p<0.01)。

 1年間の治療前後に腰椎大腿骨頸部骨密度(BMD)を測定した結果、MTX群では腰椎で0.854 g/cm2から0.818 g/cm2へ(p<0.01)、大腿骨頸部では0.742 g/cm2から0.722 g/cm2へ(p<0.001)、いずれの部位でも有意な骨密度の低下が認められた。

 一方、インフリキシマブ群では、腰椎、大腿骨頸部ともに治療前後での有意な骨密度低下は認められなかった。腰椎では0.992 g/cm2から0.992 g/cm2と全く変化なく、大腿骨頸部では0.838 g/cm2から0.845 g/cm2へとわずかながら増加していた。

 インフリキシマブ群ではさらに、DSA28スコアが1.2以上改善した患者をレスポンダー、改善しなかった患者をノンレスポンダーとして、疾患活動度の改善とBMDの関係を検討した。その結果、腰椎、大腿骨頸部のいずれにおいても、レスポンダーとノンレスポンダーの間でBMDの変化に差は認められなかった。

 同氏は、「インフリキシマブは疾患活動性のコントロールの有無に関わらず骨密度低下を抑制する可能性が示唆された」としている。