デンマークFrederiksberg病院のRobin Christensen氏

 過体重変形性膝関節症患者では、減量によって痛みや障害が軽減することがメタ分析の結果から明らかになった。特に障害の軽減については減量が多いほど障害が減少する量反応関係も得られたという。デンマークFrederiksberg病院のRobin Christensen氏らの研究成果で、6月24日の口演セッション「変形性関節症治療の進展」で報告された。

 研究グループは、データベースから無作為割付比較対照試験23件を抽出した。そのうち、(1)変形性膝関節症の診断が明確、(2)体重の変化が記録されている、(3)介入は減量のみでそれ以外のすべての治療(投薬、運動、行動療法など)に差がない、などの条件を満たしたのは4件の試験だった。このうち3件(介入/対照群は4組、被験者417人)が減量による痛みと障害の程度の変化について報告していた。2件(117人)は、Lequesne指標(痛み、歩行能力、身体機能を評価)の変化を評価していた。

 その結果、体重減少が6.13kg(4.68-7.58kg)の時に、痛みの軽減についてはエフェクトサイズ 注)が0.20(p=0.05)、身体障害の軽減では0.23(p=0.02)で、小さいが有意だった。Lequesne指標については、体重減少が5.29kg(2.95-7.63kg)の時、エフェクトサイズは0.58(p=0.25)で有意ではなかった。

 痛みと減量の関係を調べた研究の結果は一貫しておらず、重み付けしたメタ回帰分析による効果の推測は不可能だった。

 一方、身体障害の改善と減量の関係においては、確実性の高い予測が可能だった。統計学的モデルにより、5.02%超の減量を約20週間(週あたり0.25%の体重減少)で行えば、身体障害が有意に軽減されることが示された。さらに、週に0.6%のペースで減量し、体重減少が7.6%を超えれば、中等度以上(エフェクトサイズ=0.5以上)の臨床効果を得られることがわかった。

 これらの分析からChristensen氏らは、レベル1a(システマティックレビュー/メタアナリシス)のエビデンスが得られたとして、「肥満の変形性膝関節症患者は、10%以上の減量を12週間以内に行うべきだ。減量は、心血管リスクの低減など一般的な健康利益ももたらす。医師は、変形性膝関節症と肥満という2つの慢性疾患を抱える患者に減量を勧めてほしい」と結論づけた。


エフェクトサイズ(ES):対照群と介入群との差の指標。対照群と介入群の平均値の差を標準偏差で割った値をいう。2群の平均値が1標準偏差分、離れていればES=1。変形性膝関節症に関するEULARの規準では、0.2は軽度の臨床的効果、0.5は中等度で臨床的に認めうる効果、0.8以上は顕著な効果としている( Ann. Rheum. Dis. 2003; 62: 1145-55 )。