オランダRijnstate病院のM. Hoefnagels氏

 オランダの死亡統計を基にした分析で、関節リウマチ(RA)患者の余命は一般人口と比べ、男性で6.4年、女性では8.8年も短いことがわかった。死因としては感染が一般集団の4倍以上と顕著に多いという。オランダRijnstate病院のM. Hoefnagels氏らの研究成果で、6月23日の口演セッション「RAの進行:予測因子と治療」で報告した。

 Hoefnagels氏らは、Rijnstate病院で把握していたRA患者のうち、1997〜2005年に死亡した315人の人口統計学的データ、死因併発疾患、薬歴などを得た。不足していた情報は、かかりつけ医その他から入手した。

 315人中男性は113人、女性は202人。全体の80%がリウマチ因子陽性だった。発症年齢の平均は男性60.6歳(SD13.8)、女性60.8歳(SD16.2)。平均罹病期間は、男性13.8年(SD11.6)、女性14.8年(SD13.7)だった。

 発症時の年齢から予想されるオランダの一般国民の余命と比べると、多くの患者で余命は短縮していた。平均余命の短縮は、男性で6.4年(SD7.7)、女性で8.8年(SD7.8)。余命の短縮は、男女ともに、診断を受けた年齢にかかわらず起きていた。

 RAが余命を短縮する理由として、感染による死亡の増加は多く指摘されている。RA自体が易感染性をもたらすほか、免疫抑制治療によって感染が増える可能性も考えられるからだ。

 そこで研究グループは患者の死因を調べ、一般国民のデータに基づく予測値と比較した。その結果、心血管疾患で死亡した患者は81人で、予想値の101.7人に対して有意に少なかった。が、突然死の33人を加えると、一般集団との間の差はなくなった。悪性腫瘍は73人、予想は103人で有意差あり。差は女性で顕著だった。感染による死亡は57人。予想は14.0人で、男女ともに予測を大きく上回った。

 患者群には、治療薬に関連する死亡が13人(4%)いた。死者数は、NSAIDsによる消化管出血または穿孔が4人、メトトレキサートによる汎血球減少症が3人、肺炎2人、スルファサラジン(サラゾスルファピリジン)による肝不全1人などだった。

 RA自体による死亡は10人だった。肺線維症が3人、頸部脊髄圧迫が2人、2次性アミロイドーシスが2人、血管炎2人など。

 なお、患者が死亡時に使用していた治療薬は、非ステロイド系抗炎症薬(NSAIDs)(患者の50%が使用、以下同様)、プレドニゾロン(33%)、メトトレキサート(23%)、ヒドロキシクロロキン(20%)、スルファサラジン(16%)、生物学的製剤(4%)などだった。