サイトカインの一種であるインターロイキン32IL-32)が、関節リウマチ治療薬の新たな標的となる可能性が示された。関節リウマチ患者の滑膜組織で過剰に発現していることが、初めて確認されたことに加え、動物実験の結果から、腫瘍壊死因子(TNF)依存性に関節の炎症を誘導することが明らかにされた。成果は6月23日の口演セッション「治療の標的となる新たなサイトカイン」で、オランダRadboud大学Nijmegen医療センターのL.A.B. Joosten氏らによって発表された。

 研究グループは29人の活動性関節リウマチ患者の膝から5カ所ずつ滑膜組織をバイオプシーによって採取し、免疫組織化学的にサイトカインなどの発現を解析した。その結果、IL-32が関節リウマチ患者の滑膜組織で高度に発現しているが、骨関節炎患者の組織では発現していないことを見出した。IL-32の発現は滑膜の炎症および炎症性サイトカインであるTNFαIL-1βIL-18の発現レベルと強く相関していた。さらに、マウスのマクロファージをIL-32で刺激したところ、TNFα、IL-1β、MIP-2の産生を強く刺激することが確認された。また、IL-32はプロスタグランジンE2の放出を誘導できた。

 ヒトIL-32γを20ngマウスの関節に接種したところ、炎症性細胞の浸潤、軟骨の損傷を伴った重度の関節の炎症を誘導できることも研究グループは確認した。しかも、TNFαを欠損させたマウスを用いた実験で、IL-32を20ng接種したところ、炎症性細胞の浸潤が強く抑制され、IL-32による関節の腫脹がTNFαに依存性であることも明らかとなった。