発症1年以内の早期炎症性関節炎EIA)患者に対するDMARDsを中心とした治療で、必要に応じて3カ月ごとに治療方針を変えていったところ、治療開始1年後にはほぼ半数の患者が寛解に達した。カナダ・トロント市における前向きコホート研究の成果で、「臨床現場の成績」である。トロント大学助教授のVivian P. Bykerk氏らが、6月21日の口演セッション「早期関節リウマチ」で発表した。

 対象は、トロント市のEIA患者コホート(TEACH:Toronto Early Arthritis CoHort)に登録された最初の79人とした。患者は16歳以上で女性が8割、平均年齢は46.5歳。罹病期間の中央値は5.4カ月。患者の67%は、治療開始時に、米国リウマチ学会ACR)の関節リウマチ(RA)診断基準を満たし、赤沈(ESR)は22.8mm/h、CRPは13.1mg/L。疼痛関節数(TJC:68関節)は19.1、腫脹関節数(SJC:66関節)は11.3だった。DAS28-ESRのスコアは5.3と、活動性が高いことを示した。

 実際の治療方針は患者によって異なる。

 治療開始時、6割の患者には、(1)メトトレキサート(MTX)+ヒドロキシクロロキン(HCQ)かスルファサラジン(SSZ)、あるいは、(2)MTX+HCQ+SSZ、のいずれかのDMARDs併用投与を行った。

 患者の25%にはDMARDを単独で投与した。内訳はMTX単独が4割、HCQ単独も同じく4割で、SSZ単独が2割を占めた。MTXは15〜25mgと高用量を投与した。また一部の患者には「DMARD治療への橋渡し」としてステロイドを投与した。

 6カ月後の投与薬剤は開始時とほぼ同じだったが、9カ月後にはDMARDs併用投与と単独投与の患者の合計が全体の6割と減り、12カ月ではさらに4割まで減少した。代わって、開始時には患者の5%にしか投与していなかった生物学的製剤が9カ月後には4割、1年後では6割の患者に投与されていた。

 こうした治療方針の変更のもと、開始時には4%に過ぎなかった寛解率(DAS28-ESR<2.6)が、6カ月後(56人)では26%に、12カ月後(46人)では47%と増加し、1年で患者の半数が寛解にいたったことがわかった。

 またOMERACTMDA(minimal disease activity)指標においても、活動性の低さを示す7項目中5項目以上を満たす患者の割合が、12カ月後には50%となった。DAS28-ESRと同様の結果を示したことから「MDAはDAS28と同等の評価法である」とBykerk氏は述べ、MDAの有用性も強調した。


※ OMERACT(Outcome Measures in Rheumatoid Arthritis Clinical Trial)は、リウマチ分野における臨床試験のアウトカム測定のコンセンサス。非公式の専門家ネットワークであるOMERACTイニシアチブ( http://reuma.rediris.es/omeract/index.html )で議論される。