横浜市大大学院医学研究科発生成育小児医療学教授の横田俊平氏

 横浜市大大学院医学研究科発生成育小児医療学教授の横田俊平氏らの研究グループは、全身型若年性特発性関節炎(JIA)を対象にした抗インターロイキン6(IL6)受容体抗体トシリズマブの多施設無作為化二重盲検臨床試験で有効性が確認できたことを明らかにした。成果は6月22日に発表された。

 研究グループは全身型若年性特発性関節炎患者と診断され、血中のIL6濃度が高い56人(うち女児が35人、平均年齢8.3歳)を対象に、まず6週間、体重1kg当たり8mgのトシリズマブを2週間ごとに投与した。その結果、6週間終了時点でJIAコアセットの30%を達成したのが51人(91.1%)、50%を達成したのが48人(85.7%)、70%を達成したのが38人(67.9%)となった。

 6週間の投与終了時点で、効果があったとみなされた患者(完全に関節炎が治まった患者と効果のなかった患者を排除)の44人を対象に無作為化二重盲目試験を行い、体重1kg当たり8mgのトシリズマブかプラセボを2週間ごとに6回投与し、最後の投与後2週間たった時点で評価を行った。44人中1例はマスキングがはずれたため評価から除外した。いったん効果があったとする範囲からはずれて急激に悪化した場合には試験から離脱させた。

 プラセボ群とトシリズマブ群で試験から離脱した比率を比較した。その結果、プラセボ投与群では23例中19例(82.6%)が試験から離脱したのに対して、トシリズマブ投与群では20例中4例(20.0%)に留まり、投与群で効果が確認された。試験離脱までの平均時間はプラセボ群が4.9週であったのに対して、トシリズマブ投与群は12週以上だった。

 12週時点でトシリズマブ群は、JIAコアセット30%を達成したのが90.0%、50%を達成したのが90.0%、70%を達成したのが85.0%だったのに対して、プラセボ群では30%を達成したのが60.9%、50%を達成したのが56.5%、70%を達成したのが34.8%だった。

 副作用のために試験を中止したのはプラセボ群、トシリズマブ群ともに1例ずつだった。最も頻繁に見られた副作用は感染症(主に軽度の上気道感染症)と肝臓の酵素値の上昇だった(トシリズマブ投与中に正常範囲に戻った)。2人の患者が重篤な副作用を起こした。アナフィラキシー様反応と胃腸の出血だったが投与中止によって治まった。