ステロイド薬は関節リウマチ(RA)の炎症を迅速かつ効果的に改善するが、一方では副作用や骨粗鬆症の進行促進などの問題もある。ベルギーのSt. Luc大学のP. Durez氏らは、活動性の極めて高い早期RA患者を対象に、メトトレキサート(MTX)単独、インフリキシマブおよびステロイドパルス療法関節破壊抑制効果を造影MRIにより比較検討した。インフリキシマブは他の2つの治療に比べ、滑膜炎骨髄浮腫および骨びらんを有意に抑制したという。6月21日の口演セッション「早期関節リウマチ」で報告された。

 対象は、発症から1年以内の急速進行型・早期RA患者の44例。平均年齢は約50歳、女性が約70%、治療前のDAS28は5.2〜5.3であった。これらをMTX群(20mg/週以上投与)、インフリキシマブ群(MTXにインフリキシマブ3mg/kgを併用)およびステロイドパルス療法群(MTXにメチルプレドニゾロン1000mg点滴静注を併用)に割り付け、52週間の治療を行った。造影MRIは試験前および18週、52週に撮像され、MCP関節、手関節、MTP関節の3部位について、関節破壊の3大所見である滑膜炎、骨髄浮腫、骨びらんの程度を評価した。滑膜炎は22関節の各々について0〜3点に、骨髄浮腫は30領域の各々について同じく0〜3点に、骨びらんは30関節の各々について0〜10点にスコア化した。

 滑膜炎の改善は、インフリキシマブ群で11.6ポイント、ステロイドパルス療法群で9.3ポイント、MTX群は4.2ポイントで、インフリキシマブ群とMTX群の間に有意差が認められた(p=0.002)。同様に骨髄浮腫の改善については,各々10.2、4.1、3.5ポイントで、インフリキシマブ群ではMTX群(p=0.009)およびステロイドパルス療法群(p=0.029)よりも有意な改善が認められた。

 骨びらんの進行は、各々2.0、3.5、6.5ポイントで、インフリキシマブ群での骨びらん進行が最も小さく、ステロイドパルス療法に比べて有意な進行抑制が認められた(p=0.006)。

 なお、臨床症状に関しては、インフリキシマブ群およびステロイドパルス療法群で速やかな改善が得られ、22週のACR20・50・70改善率は両群ともMTX群に比べ有意に高かった。
 
 Durez氏は、「急速進行型の早期RA患者に対して、ステロイドパルス療法は臨床的に著効を呈するが、造影MRI上ではMTX単独と同等ないしそれ以下の効果でしかなかった。ステロイドパルス療法は両刃の剣であることから、慎重な適応判断が望まれる。一方、インフリキシマブ療法は臨床上かつMRI所見上で優れた効果を発揮したことから、活動性の極めて高い患者にも有用性が示唆される。また、関節破壊の進行は患者の予後を大きく左右するため、急速進行型患者にも有用である」と語った。