フランスCentre Rene GauducheauのJean-Yves Douillard氏

 KRAS遺伝子に変異がない野生型の転移性結腸・直腸癌(mCRC)の患者に対して、完全ヒトモノクローナル抗体パニツムマブFOLFOXと併用投与すると、FOLFOXを単独で投与した場合に比べて無増悪生存期間(PFS)が有意に延長することが分かった。mCRC患者のKRAS遺伝子変異の有無に焦点を当てた初めての前向きフェーズ3試験PRIMEの結果から明らかになった。9月20日から24日までドイツ・ベルリンで開催された第15回欧州癌学会(ECCO)・第34回欧州臨床腫瘍学会(ESMO)で、フランスCentre Rene GauducheauのJean-Yves Douillard氏(写真)らが発表した。

 PRIME試験は、当初は全ての登録患者で治療効果を比較する予定だったが、抗上皮成長因子受容体(EGFR)抗体の結腸・直腸癌に対する効果がKRAS遺伝子変異の有無と関連することが明らかになってきたため、試験計画が変更された。そのため、mCRC患者のKRAS遺伝子変異の有無に焦点を当て、ファーストライン治療でパニツムマブとFOLFOX4を併用する群と、FOLFOX4単独群を比較する試験となった。

 試験に参加したのは1183人で、併用群に593人、単独群に590人が割り付けられた。KRAS遺伝子変異の有無を確認できたのは併用群92%、単独群93%であった。併用群、単独群ともに、KRAS野生型の患者は60%、遺伝子変異を認めた患者は40%であった。

 パニツムマブ6.0mg/kgは2週間ごと、FOLFOX4も併用群、単独群ともに2週間ごとに投与した。

 主要評価項目のPFSの中央値をKRAS野生型の患者で比較すると、併用群9.6カ月、単独群8.0カ月で、ハザード比0.80(p=0.02)であった。パニツムマブを併用した群で有意にPFSが延長した。

 中間解析における全生存期間(OS)は、KRAS野生型では単独群と比べて併用群で延長しているものの、有意差には至らなかった。長期的なフォローアップが続行されており、今後の解析結果を待つ必要がある。

 奏効率については、KRAS野生型の場合、完全奏効(CR)、部分奏効(PR)、安定状態(SD)、疾患の進行(PD)は、併用群でそれぞれ0%、55%、30%、7%だった。単独群ではそれぞれ0.3%、47%、36%、11%で、奏効率では有意差はなかった(p=0.068)。

 一方、遺伝子変異を認めた患者では、PFSは併用群7.3カ月、単独群8.8カ月でハザード比は1.29(p=0.02)と逆転した。中間解析によるOSは併用群15.1カ月、単独群18.7カ月だった。

 グレード3以上の有害事象の発現は、KRAS野生型では併用群84%で単独群64%よりも多かったが、新たに報告された有害事象はなかった。併用群では皮膚毒性(36%)、好中球減少(42%)、下痢(18%)などが多く、単独群ではそれぞれ2%、41%、9%であった。ただし、有害事象による死亡は併用群5%、単独群6%であった。