英国Royal Marsden HospitalのRachel Wong氏

 転移が肝臓だけの大腸癌患者または手術不能大腸癌患者に術前化学療法としてカペシタビン、オキサリプラチン、ベバシズマブの併用療法が有効である可能性が明らかとなった。多施設フェーズ2試験BOXERの結果、示されたもので、9月20日から24日までドイツ・ベルリンで開催された第15回欧州癌学会(ECCO)・第34回欧州臨床腫瘍学会(ESMO)で英国Royal Marsden HospitalのRachel Wong氏(写真)らによって発表された。

 フェーズ2試験では、対象は技術的に手術不能で肝転移のみの患者もしくは肝転移のみの転移巣が原発巣の発見と同時に見つかった患者とした。実際には、切除可能な患者が15人、切除不能な患者が30人だった(有効性評価対象外だったが安全性評価のみ組み入れたのが別に1人)。年齢の中央値は63歳(29-78)だった。対象患者に術前化学療法として3週間を1サイクルとして、1日目にオキサリプラチン(130mg/m2)、ベバシズマブ(7.5mg/kg)、1日目から14日目までカペシタビン(1日2回850mg/m2)を投与した。75歳以上の患者では、オキサリプラチンの量を100mg、カペシタビンの量は650mgとした。

 試験の結果、完全奏効4人(9%)、部分奏効31人(69%)で、奏効率は78%(95%信頼区間:63-89)だった。ベバシズマブに関連したグレード4の副作用は静脈血栓塞栓が2人に認めただけだった。

 45人のうち、発見当初に切除が可能だったのは15人。そのうち9人が肝切除となった。2人は早期過ぎるとの理由で、3人は放射線治療で完全奏効となったため、残りの1人は、化学療法中に病状が進行したため切除対象とならなかった。当初切除不能であった30人のうち、10人が切除可能になったが、放射線治療に完全奏効1人、開腹時に部位が見つからなかった1人、麻酔に適しない1人を除く7人で肝切除が行われた。肝切除を受けた計16人のうち、R0手術が9人(56%)、R1手術が5人(31%)、R2手術が2人(13%)だった。ベバシズマブの最終投与から手術までの期間の中央値は10.8週(8-26.7)だった。グレード3/4の術前術後の副作用はなかった。

 45人全体の無増悪生存期間中央値は、12.0カ月だった(観察期間中央値は11.4カ月)。6カ月無増悪生存率は73%、12カ月無増悪生存率は50%だった。観察期間中央値12.9カ月で、全生存期間中央値には到達しておらず、12カ月時点の生存率は86%だった。