早期乳癌に対する術前補助化学療法として、エピルビシン+ドセタキセル+カペシタビン(EDC)の投与はエピルビシン+ドセタキセル(ED)の投与よりも有効で、実現可能な治療選択肢であることが、大規模フェーズ3試験ABCSG-24の結果から明らかになった。9月20日から24日にドイツ・ベルリンで開催されている第15回欧州癌学会(ECCO)・第34回欧州臨床腫瘍学会(ESMO)で、Austrian Breast and Colorectal Cancer Study Groupを代表してGunther G Steger氏(写真)が発表した。

 術前補助化学療法に対する病理学的完全奏効(pCR)は、早期乳癌の良好な転帰の予測因子である。しかし、現在行われている化学療法では、pCRはまだ満足できる結果に至っているとは言えない。

 ABCSG-24試験では、エピルビシン75mg/m2+ドセタキセル75mg/m2(3週毎)のEDを投与する群(ED群)と、EDにカペシタビン1000mg/m2(1日2回、14日間投与を3週毎)を加えたEDCを投与する群(EDC群)でpCRの達成率を比較した。治療は6サイクルとした。

 試験の対象は、組織学的に浸潤性乳癌と確認され、遠隔転移がないなどの基準を満たした512人。ED群に257人、EDC群に255人を割り付けた。平均年齢は両群ともに49歳だった。組織学的な分類、ステージ、リンパ節陽性の割合、ホルモンレセプター、HER2陰性の割合などについて、両群に差はなかった。

 pCRを達成したのはED群41人(16.0%)、EDC群62人(24.3%)、ハザード比は0.58(p=0.02)で、EDC群で有意に多い結果だった。

 部分奏効(PR)と安定状態(SD)を合わせるとED群212人(82.5%)、EDC群192人(75.3%)だった。疾患の進行はそれぞれ4人(1.6%)と1人(0.4%)だった。

 EDC、腫瘍の大きさ、ホルモンレセプター、グレードはpCRの独立したパラメータであることも分かった。

 有害事象はED群91人、EDC群131人に発生した(p=0.009)。EDの毒性はカペシタビンを追加したEDCで増強していたものの、全般的に忍容性は良好であり、6サイクルの治療を完了したのはED群の96%に対しEDC群94%と、同等の高さだった。

 ただし、血管系の有害事象はEDC群のみに8人に認められた。重篤な血管系の有害事象の発生はまれであるが、今後も検証が必要と考えられる。

 Steger氏は「今回の結果から、EDCは早期乳癌の術前補助化学療法として実現可能な治療選択肢と考えられる」と話した。