大阪大学大学院医学系研究科の西田俊朗氏

 イマチニブによる術後補助療法は、腫瘍サイズの大きいハイリスクGIST(消化管間質腫瘍)で、再発を抑制し、忍容性も高いことが日本人のフェーズ2試験で明らかになった。大阪大学大学院医学系研究科の西田俊朗氏(写真)らが、9月20日から24日にドイツ・ベルリンで開催されている第15回欧州癌学会(ECCO)・第34回欧州臨床腫瘍学会(ESMO)で発表した。

 試験ではKIT陽性ハイリスクのGISTで、原発腫瘍を完全切除した患者64人を対象に、術後イマチニブ400mg/日を1年間投与した。主要評価項目は無再発率、副次評価項目は生存率と安全性とした。

 ハイリスクは、腫瘍径が5cmを超え、高倍率視野(400倍率)50視野当たり細胞分裂を示す腫瘍細胞数が5を超える場合、または腫瘍径が10cmを超える場合、もしくは50視野当たり腫瘍細胞数が10を超える場合とした。

 腫瘍径中央値は9.0cm、50視野当たり細胞分裂を示す腫瘍細胞数の中央値は14.5だった。64人のうち40人は腫瘍が胃に、16人は小腸、1人は食道、7人は大腸にあった。

 1年間の治療完遂率は76.6%。フォローアップ期間中央値は109週で、20人が再発した。1年無再発率は96%、2年無再発率は76%、3年無再発率は60%で、「イマチニブによる再発抑制効果は、治療を行っていた1年間で最も顕著だった」(西田氏)とした。

 この無再発率の結果は、米国の大規模フェーズ3試験であるZ9001試験で、腫瘍径10cm以上のGISTに対するイマチニブ投与の結果と類似していた。

 また1年生存率は97%、2年生存率は94%、3年生存率は87%だった。

 主な副作用は眼瞼浮腫(44%)、悪心(39%)、皮疹(38%)、好中球減少(36%)、顔面浮腫(36%)で、グレード3/4の副作用は好中球減少(13%)、皮疹(3%)などで、イマチニブ投与による新たな副作用の発生はなかった。

 今年5月、欧州でGISTの術後補助療法薬としてイマチニブが承認された。日本でイマチニブの適応疾患は、慢性骨髄性白血病 (CML)、フィラデルフィア染色体陽性急性リンパ性白血病 (Ph+ALL) 、および切除不能再発のKIT (CD117) 陽性 GISTとなっている。