転移性大腸癌を対象にファーストラインとして標準的な化学療法に抗上皮成長因子受容体EGFR)抗体製剤のセツキシマブを加えた場合と加えない場合を比較した2つの臨床試験のメタ解析を行った結果、KRAS野生型の患者ではセツキシマブを加える方が、統計学的に有意に奏効率と無増悪生存期間(PFS)を改善することが明らかとなった。また、セツキシマブを加える方が全生存を改善する傾向が認められた。成果は9月20日から24日にドイツ・ベルリンで開催されている第15回欧州癌学会(ECCO)・第34回欧州臨床腫瘍学会(ESMO)でベルギーUniversity Hospital GasthuisbergのE.Van Cutsem氏によって発表された。

 メタ解析に利用されたのは、転移性大腸癌患者にファーストラインとして、FOLFIRIレジメンにセツキシマブ投与を加える群とFOLFIRIレジメンのみを投与する群を比較した大規模フェーズ3試験CRYSTALと、同じく転移性大腸癌にファーストラインとしてFOLFOX4レジメンにセツキシマブを加える群とFOLFOX4レジメンのみを投与する群を比較したフェーズ2試験のOPUS試験。

 CRYSTAL試験ではKRAS遺伝子が野生型が666人(うちセツキシマブ投与は316人)、KRAS遺伝子変異型は397人(うちセツキシマブ投与は214人)だった。OPUS試験ではKRAS遺伝子が野生型が179人(うちセツキシマブ投与は82人)、KRAS遺伝子変異型は136人(うちセツキシマブ投与は77人)だった。

 両方の試験データを統合し、KRAS野生型の患者845人で解析したところ、セツキシマブを投与することで、PFSはハザード比0.66(95%信頼区間:0.55-0.80、p<0.0001)で有意に改善した。奏効率はオッズ比2.16(95%信頼区間:1.64-2.86、p<0.0001)で有意に2倍以上改善することが示された。OSはハザード比0.81(95%信頼区間:0.69-0.94、p=0.0062)で改善傾向が認められた。