スペインHospital Clinic BarcelonaのAlejandro Forner氏

 進行性肝細胞癌に対し、ソラフェニブは地域や肝炎などの病態に関係なく、進行を抑制し、生存期間を延長させることが、フェーズ3試験であるSHARP試験アジア太平洋試験を比較して明らかになった。スペインHospital Clinic BarcelonaのAlejandro Forner氏(写真)らが、9月20日から24日にドイツ・ベルリンで開催されている第15回欧州癌学会(ECCO)・第34回欧州臨床腫瘍学会(ESMO)で発表した。

 SHARP試験は未治療の進行肝細胞癌患者を、ソラフェニブ群(299人)とプラセボ投与群(303人)に分けて比較した。ソラフェニブ群には1日2回400mgのソラフェニブが投与された。その結果、生存期間(OS)中央値は、プラセボ群が7.9カ月だったのに対して、ソラフェニブ群は10.7カ月と延長した。ハザード比は0.69(p=0.00058)だった。

 一方のアジア太平洋試験(Asia-Pacific試験)は、中国、韓国、台湾の23施設で実施された。ソラフェニブ群のOS中央値は6.5カ月、プラセボ群は4.2カ月で、ハザード比は0.68(p=0.014)だった。

 また増悪までの期間(TTP)は、SHARP試験ではソラフェニブ群が5.5カ月、プラセボ群が2.8カ月、ハザード比は0.58、一方、アジア太平洋試験ではそれぞれ2.8カ月、1.4カ月、ハザード比は0.57だった。

 SHARP試験とアジア太平洋試験を比較すると、OSもTTPもアジア太平洋試験の方が結果は良くない。その原因としてForner氏は、「B/C型肝炎ウイルスの感染やPS 1以上、肝外転移など、病態の不良な患者がアジア太平洋試験では多く含まれていた」との見解を示した。たとえば、B型肝炎ウイルス感染者の比率はSHARP試験のソラフェニブ群では13%だが、アジア太平洋試験のソラフェニブ群では71%と高い。肝外転移はSHARP試験で53%、アジア太平洋試験で69%だった。

 しかし欧米とアジアという地域の違い、および病態の違いにも関わらず、OSとTTPにおける2群間のハザード比は同じである点をForner氏は強調し、「ソラフェニブ治療の有効性は一致している」と述べた。