フランスCentre Rene GauducheauのJY. Douillard氏

 進行非小細胞肺癌NSCLC)で、EGFR変異陽性の患者では、治療ラインや人種にかかわらず、ゲフィチニブは従来の化学療法に比べて有効であることが4つのフェーズ3試験を統合解析して確認された。フランスCentre Rene GauducheauJY. Douillard氏(写真)らが、9月20日から24日にドイツ・ベルリンで開催されている第15回欧州癌学会(ECCO)・第34回欧州臨床腫瘍学会ESMO)で発表した。

 解析された4試験は、治療歴を有する進行性NSCLCを対象としたISEL試験(ゲフィチニブ対プラセボ)、INTEREST試験(ゲフィチニブ対ドセタキセル)、日本で行われたV-15-32試験(ゲフィチニブ対ドセタキセル)、さらに未治療のNSCLCを対象にアジアで行われたIPASS試験(ゲフィチニブ対カルボプラチン・パクリタキセル)。これらの試験に登録された4864人のうち、EGFR変異のステータスが明らかな1006人を対象とした。

 EGFR変異陽性例における奏効率は、ISEL試験のゲフィチニブ群では37.5%、対照群では0%、INTEREST試験ではそれぞれ42.1%、21.1%、V-15-32試験では66.7%、45.4%、IPASS試験では71.2%、47.3%と、すべての試験でゲフィチニブ投与群の奏効率の方が対照群よりも高かった。

 一方、変異陰性例では、ISEL試験のゲフィチニブ群では2.6%、対照群では0%、INTEREST試験ではそれぞれ6.6%、9.8%、V-15-32試験では両群0%、IPASS試験では1.1%、23.5%と、ゲフィチニブ投与群の奏効率は対照群とほぼ同等か対照群よりも低かった。

 4つの試験を統合した奏効率は、ゲフィチニブ投与群では、EGFR変異陽性例が65%(95%信頼区間:58-71)であるのに対し、変異陰性例では3%(同:2-6)だった。対照群でも、EGFR変異陽性例の奏効率は、ドセタキセル単独の場合は30%、カルボプラチン・パクリタキセルの場合が47%で、変異陰性例ではそれぞれ9%、24%だった。

 無増悪生存期間(PFS)も奏効率と同様の傾向が認められ、PFS中央値は変異陽性例でゲフィチニブ投与群が7〜10.8カ月、対照群は3.8〜9.0カ月、変異陰性例ではそれぞれ1.5〜2.3カ月、2.6〜5.5カ月だった。

 またEGFR変異のタイプを比べたところ、exon 19欠損はIPASS試験では54%、V-15-32試験では42%、ISEL試験とINTEREST試験では51%だが、exon 21点変異でL858R変異がそれぞれ43%、52%、27%、L861Q変異が1%、0%、4%、exon 20 T790M変異は4%、3%、0%、exon 18 G719A/Cは1%、0%、4%という結果だった。

 さらにDouillard氏らは、進行性NSCLC患者でEGFR変異ステータスが明らかな文献91報を対象に解析した。その結果、変異陽性例でのゲフィチニブ投与群(1446人)の奏効率は、治療ラインによらず化学療法群(252人)よりも高く、それぞれ69%、39%。人種別では、アジア人を対象の試験の方が変異陽性患者の奏効率は高いが、アジア人でも非アジア人でもゲフィチニブ投与群の方が化学療法群よりも奏効率は高いことが示された。

 以上の結果から演者らは、「EGFR変異陽性患者におけるゲフィチニブの効果は、治療ラインおよび人種にかかわらず一致しており、治療選択において、EGFR変異のステータスを知ることが、高い奏効率をもたらすだろう」と結論付けている。