静岡県立静岡がんセンター消化器内科の朴成和氏

 進行性の固形腫瘍の日本人患者において、ニモツズマブは週1回の投与で400mg/bodyまでの用量であれば忍容性が良好であることが、フェーズ1の用量増加試験で明らかになった。9月20日から24日にドイツ・ベルリンで開催されている第15回欧州癌学会(ECCO)・第34回欧州臨床腫瘍学会ESMO)で、静岡県立静岡がんセンター消化器内科朴成和氏(写真)が発表した。

 ニモツズマブは、上皮成長因子受容体(EGFR)に対するヒト化IgG1モノクローナル抗体製剤。EGFRを標的とする他の抗体と異なり、重度の皮膚毒性を示さない。

 今回の試験の主要評価項目は、固形腫瘍の日本人患者におけるニモツズマブの安全性および薬物動態。副次的評価項目は、ヒト抗ヒト化抗体(HAHA)、抗腫瘍効果などだった。

 標準治療で効果が認められなかった進行性の固形腫瘍の患者13人を対象として、ニモツズマブは静注で週1回投与した。1サイクルは4週とした。用量は100、200、400mg/bodyのいずれかとし、各4人に投与した。

 解析対象となった12人の治療サイクルの中央値は4サイクル(範囲1〜10)だった。用量制限毒性(DLT)ならびにグレード3の薬剤関連性の有害事象(注射部位の皮膚反応など)は観察されず、最大耐用量(MTD)には到達しなかった。

 頻度が高かった薬剤関連性の有害事象はグレード1または2の発疹(58%)だったが、いずれも局所的な発生であり、用量との関連は認めなかった。また治療期間中のHAHAの出現はなかった。濃度時間曲線下面積(AUC0-inf)、最高血中濃度(Cmax)、半減期(t1/2)は用量依存性に上昇し、クリアランスは用量依存性に低下した。

 完全奏効および部分奏効は得られなかったが、8人(73%)に4週を超える病状安定(SD)がみられた。増悪までの期間(TTP)の中央値と平均値はそれぞれ14週と19週だった。
 
 これらの結果から朴氏は「今回の試験でニモツズマブの単剤療法の安全性が確認でき、管理しやすい薬である可能性が高いと考えられた。胃癌に対しニモツズマブとイリノテカンを併用するフェーズ2のRCTが現在進行中であり、今後の報告に期待したい」とコメントした。