イタリアUniversity of NaplesのFerruccio Galletti氏

 イタリアの高血圧患者の塩分摂取量は多く、世界保健機関(WHO)の推奨値以下の人は全体の13.5%に過ぎないことが分かった。一方、カリウム摂取量は少なく、WHO推奨値を満たしている人は全体の9.6%に留まった。ただし、いずれの摂取量とも、抵抗性高血圧症との関連は認められなかった。イタリアUniversity of NaplesのFerruccio Galletti氏らが、約1200人の高血圧患者について行った調査で明らかにしたもので、6月14日から17日までミラノで開催されていた欧州高血圧学会(ESH2013)で発表した。

 Galletti氏らは、2010年1月から2011年5月にかけて、イタリア20地域、47カ所の医療機関を通じ、高血圧症の診断を受けた1284人について調査を行った。被験者の尿中ナトリウム値と尿中カリウム値を調べ、地域特性や血圧値、BMI、年齢などとの関連を分析した。

 被験者のうち男性は52%で、平均年齢は男性が58.6歳、女性が60.1歳だった。平均血圧値は、収縮期がそれぞれ135mmHgと133mmHg、拡張期が82mmHgと80mmHg、心拍数は70bpmと72bpm、BMIはいずれも27.7kg/m2だった。また、被験者のうち過体重の人は44.2%、肥満は26.7%だった。

 被験者のうちデータの得られた1177人について解析したところ、尿中ナトリウムの平均値は155mmol/日、尿中カリウムの平均値は60mmol/日だった。いずれについても、地域格差は認められなかった。WHOの推奨する塩分摂取量1日5グラムは尿中ナトリウム85mmol/日に相当するが、この基準以下だった人の割合は、13.5%に過ぎなかった。一方でカリウム摂取量については、WHOの推奨摂取量の1日3.5グラムは、尿中カリウム値の90mmol/日にあたるが、この基準を満たしている人は全体の9.6%に留まった。

 尿中ナトリウム値とBMIは、男女ともに年齢にかかわらず有意な関連があり、同指数が高いほど尿中ナトリウム値も高かった(男性;P=0.004、女性;P=0.001)。年齢と尿中ナトリウム値についてもまた、男女ともに有意な関連があり、高齢になるほど尿中ナトリウム値は低かった(男性;P=0.001、女性;P=0.013)。

 被験者のうち、クラスの異なる3種の降圧薬を服用しながら、降圧目標値に達していない抵抗性高血圧症が認められた患者は154人で、全体の13.1%に上った。ロジスティック回帰分析を行って調べたところ、抵抗性高血圧症のリスク因子は、年齢とBMIだった。尿中ナトリウム値や尿中カリウム値と抵抗性高血圧症には、有意な関連は認められなかった。