一般的に、糖代謝などへの悪影響が懸念されるβ遮断薬だが、少なくともカルベジロールに限っては、肥満糖尿病合併高血圧症治療に有用のようである。6月19日、HYPERTENSION2008のポスターセッションにおいてロシアState Research Center for Prevention MedicineのS.Shainova氏らがおよそ600例を対象とした無作為化試験ACCORD-studyの結果として報告した。

 対象となったのは、血圧140〜180/90〜110mmHgで、「腹部肥満」(腹囲径:男子>102cm、女性>88cm)、「2型糖尿病」の少なくとも1つを認める592例。降圧治療の有無は問わなかった。重症の心疾患(心不全NYHAIII−IV、閉塞性肥大型心筋症、直近3カ月以内の心筋梗塞など)や不整脈、その他重篤な合併症の症例などは除外した。平均年齢は56歳、血圧平均値156/95mmHg、BMIは34kg/m2だった。34%が2型糖尿病を合併し、92%が「腹部肥満」に相当していた。

 これら592例はカルベジロール群(291例)と標準的治療群(301例)に無作為に割り付けされ、24週間追跡された。カルベジロール群は6.25〜25mg/日×2/日を服用、標準的治療はカルベジロール以外の降圧薬は全て使用可能だった。

 その結果、カルベジロール群では収縮期血圧、拡張期血圧とも、標準的治療群に比べ有意に低下していた(p<0.0001)。また140/90mmHg未満を達成できていた割合を全例で比較すると、カルベジロール群で有意に高値だった(96.8% 対 88%、p<0.001)。糖尿病合併例で130/80mmHg未満を達成した割合もカルベジロール群57.7%で標準的治療群の45.7%に比べ高値だったが、有意差には至らなかった。なお、カルベジロール群では心拍数も有意に減少していた(p<0.0001)。

 糖代謝、脂質代謝に与える影響は両群で同等で、また有害事象発現、両群間で同等だった。

 Shainova氏らは「2型糖尿病あるいは腹部肥満を伴う高血圧患者に対し、カルベジロールは代謝への悪影響なく、良好な血圧コントロールが可能である」と結論していた。